発売直後から売れ行き好調の『プレゼンは「目線」で決まる』―本書の著者である西脇資哲氏は、日本マイクロソフトのエバンジェリストおよびプレゼン講師として、年間250日におよぶ講演・セミナーを行っている。
西脇氏によれば、プレゼンの本来の目的は「何かを伝えること」ではなく、「伝えることによって、相手を動かすこと」だという。そのようにプレゼンの本質を定義し直したとき、人間のプレゼン能力というのは、基本的には「人生を通じて下がり続けていく」と考えたほうがいい、と彼は語る。

なぜ号泣議員の会見は<br />1ミリも心を動かせなかったのか?

大人のプレゼン能力は低下し続ける

人は成長するにしたがって、言葉を覚え、知識や経験を蓄えていきます。
ですから、多くの人の前でスピーチをする機会が増えれば、事前に内容を考えて、理路整然と話せるようになります。
PCのツールを駆使して資料を作成し、論理的に話せるようにもなるでしょう。

しかし実を言うと、大人になればなるほど、人間の基礎的なプレゼン能力は衰えていきます。
高いプレゼン能力を持ち合わせているのは、知識や経験を蓄えツールを使いこなせる人でも、多くの人の前でロジカルに話せる人でもないのです。

では、人間のプレゼン能力が最も高いのは、どの時期なのか?
間違いなく、授乳期の赤ちゃんです。