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エコカー大戦争!

中国・インド勢からも相次ぐ衝撃の発表!
日本車メーカーを飲み込む
電気自動車“仁義なき戦い”の混沌

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第36回】 2010年3月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
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 前回に引き続き、スイス・ジュネーブモーターショー(一般公開は3月4~14日)の現地報告をお届けする。今回は電気自動車(以下EV)について、注目される動きを追った。

衝撃発表!中国BYDが
独ダイムラーと技術提携

世界中、どこへ行っても注目の的、中国BYD。今回はメディアの想定外、ダイムラー社との技術提携を発表

 報道陣向け公開日初日の午前8時30分、その後40コマ(1コマ15分)にも及ぶ記者会見のしょっぱな、中国BYD(Build Your Dreams)社が予想外の発表を行った。

 「昨日、ダイムラー社と中国市場における技術提携について、MOU(契約覚書)を交わした」。

 会見が終わるや否や、最前列中央に座っていた同社の王伝福社長は、記者たちを避けるように同社ブースを後にした。

 その後、筆者は同社の欧州部門の営業担当者他数人から、「事の真相」について取材した。筆者の質問に対して、人によって違った答えがある場合があったが、以下が「各人の回答の最大公約数」である。

 ・契約は中国市場に限定。欧州、北米など他の地域では、ダイムラー・BYDそれぞれ独自のEV戦略を進める。

 ・開発は、BYD本部のある中国の深セン市に、ダイムラーの技術者も参加する(新設されると予想される)R&Dセンターで行う。

 ・中国市場で企画開発する予定のダイムラー社ブランドのEVは、BYDが今年から量産を開始するEV「e6」より高級なイメージの車(ある関係者は、e6より大型と表現)。

 以上となる。

 また、あるBYD関係者が「EVの基本技術はBYDが提供し、リチウムイオン2次電池のセルはダイムラー側が供給する」と述べた。だが、他のBYD関係者は「2次電池はBYD製になる」など意見が大きく食い違った。

 そこで筆者は、以前に数回インタビューした経験のある、ダイムラー社の次世代車開発統括者のハーバート・コーラー氏に、ダイムラー社記者会見場で本件について聞いた。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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