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金融市場異論百出

利上げ判断に揺れる米国で注目
家賃と金融政策の意外な関係

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2015年9月3日
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米国では家計支出に占める住居費の割合が増加。家賃の値上がりが大きな話題を呼んでいる (c)123RF

 8月下旬からのグローバルな金融市場の混乱が収束しなければ、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを見送るだろう。しかし、注意が必要な点がある。

 7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は、市場が受け止めたほどハト派的ではなかった。中国経済やドル上昇のリスクに関する記載はあったが、その議論を提起したのは、数人(severalやsome)だ。

 むしろ注目すべき記述は、「ほとんど(most)の参加者」が、米経済は、金融引き締めを始めるべき「ポイントに近づきつつあると言及した」との部分である。6月議事要旨の記述は、「彼らの多くが、時期尚早な決定を警戒していた」だった。7月下旬時点で実はFRB幹部は年内の利上げ開始に向けて静かにカウントダウンに入り始めていたといえる。

 国際通貨基金(IMF)の中国調査団長は、先日の米テレビ番組で、中国経済が底割れする可能性は当面なく、現在の成長減速は改革に伴うものなのでポジティブに評価すべきと話していた。FRBは、IMFよりは中国の動向に警戒心を持っているだろうが、基本認識は大きく異なっていないと思われる。

 よって、FRBは年内の利上げ開始をまだ諦めていないと推測される。しかし、冒頭でも述べたように、金融市場の動揺が収まらないときに政策変更を決断すると、市場に激しいショックを与えてしまう恐れがある。市場が織り込む利上げ確率がせめて5割は超えないと、FRBは動きにくいだろう。

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