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知らないと損する!医療費の裏ワザと落とし穴

新制度「患者申出療養」では
患者の経済的負担は軽減されない

早川幸子 [フリーライター]
【第103回】 2015年10月9日
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 9月30日、厚生労働省は「患者申出療養(かんじゃもうしでりょうよう)」の具体的な運用方針を公表した。

 患者申出療養は、患者からの申し出によって、健康保険が適用されていない「自由診療」と健康保険が適用された「保険診療」を併用できる制度で、保険外併用療養費の第3のカテゴリーとして来年4月にスタートする予定になっている(制度設計の概要は、前回の本コラム参照)。

「患者申出療養」は
患者が求めた制度ではない

 導入のきっかけは規制改革会議での提案で、難病やがんなど困難な病気と闘っている患者の選択肢を拡大し、現状では保険適用されていない国内未承認薬などを、身近な医療機関で迅速に利用できるようするのが目的だという。

 ところが、「困難な病気と闘う患者のため」と謳っているにもかかわらず、規制改革会議では当事者である患者団体の声を一切聞いていない。

 患者団体が、再三にわたって「ヒアリングの場を設けてほしい」とお願いしたにも関わらず、その声を無視して、政府に新制度の創設を提案。これを受けた安倍晋三首相の指示によって、患者申出療養の導入が決まったのだ。

 そのため、厚生労働省に審議が移ってからも、患者には強い懸念が残っており、「日本難病・疾病団体協議会(JPA)」、「全国がん患者団体連合会(全がん連)」という2つの患者団体が記者会見や勉強会を開催したり、厚労省などにあてた意見書を提出したりと活動を続行。

 具体的な制度設計の審議が行われていた中央社会保険医療協議会総会(中医協)では、ようやく患者代表として両団体から意見陳述(ヒアリング)の機会を獲得し、患者が置かれている実情などを伝える努力をしてきた。

 そして、厚労省が患者申出療養の最終的な運用方針が発表する2日前の9月28日に、JPAと全がん連は連名で「患者申出療養制度に関する共同アピール」(PDF)を発表。次の3項目を訴えた。

1.混合診療の全面解禁は今後も行わず、日本の国民皆保険制度を堅持すること
2.患者申出療養制度における患者の安全性の確保と負担軽減に努めること
3.患者申出療養制度を含む医療政策の策定プロセスへの患者参画を進めること

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早川幸子(はやかわ・ゆきこ) [フリーライター]

1968年、千葉県生まれ。明治大学文学部卒業。編集プロダクション勤務後、99年に独立し、以後フリーランスのライターとして女性週刊誌やマネー誌に、医療、民間保険、社会保障、節約などの記事を寄稿。現在、ダイヤモンドオンライン「知らないと損する! 医療費の裏ワザと落とし穴」、医薬経済社「ウラから見た医療経済」などのウェブサイトに連載中。13年4月から朝日新聞土曜版be on Saturday(青be)の「お金のミカタ」を執筆。「日本の医療を守る市民の会」発起人。


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