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金利市場透視眼鏡

米利上げペースにかかわらず
日本の長期金利低下は続く

野地 慎 [SMBC日興証券シニア金利ストラテジスト]
2016年1月12日
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 日本の10年債利回りは年末としては過去最低水準で2015年を終えた。日本銀行による巨額の国債買い入れが日本の長期金利低下要因となっている点に異論はない。

 米国ではFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げに踏み切った。過去、日米の長期金利に一定の連動性が観測されてきたことを考えれば、米国利上げ局面における日本の長期金利低下の持続性には疑問符も付く。

 今回は、FRB自身が16年に3~4回の利上げを想定する中、米国の長期金利は上昇せず、日本の長期金利上昇も抑制している。

 その米国の長期金利の上昇を抑制しているのが、原油安を介した期待インフレ率低迷である。原油安は日本のインフレ抑制要因となり、長期金利の低下要因ともなっている。

 原油安については、OPEC(石油輸出国機構)による減産見送りや、米国の原油輸出解禁など、需給面によるところが大きいとの印象を受けやすいが、過去1年半ほどの原油価格はドル指数と強く連動している。利上げ局面にドルが買われることで原油価格が下がる格好である。

 日欧の中央銀行が金融緩和政策を継続し、新興国通貨にも減価圧力がかかる中、FRBの利上げはドル高を促しやすい。米国利上げ局面でも日米の長期金利が上昇しにくいのは、ドル高圧力が原油安を促している点によるところが大きかろう。

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