ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
三谷流構造的やわらか発想法

渇水の夏に備えよ!半身浴と節水型トイレと食洗機で生活水半減

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第140講】 2016年6月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 関東にまた渇水の夏が迫っています。利根川水系8つのダムの貯水率は平均58%(6月3日現在)。例年の3分の2程度に過ぎません。おまけに気象庁の1ヵ月予報では、関東甲信地方の降水量は「平年並みか少ない」予想。

 予報通りなら、久しぶりにこの夏は「節水」がテーマになるでしょう。

 地球温暖化に伴って、今、二つの指標が注目されています。一つが「CO2(二酸化炭素)排出量」、もう一つが「投入水量」です。

 前者は言わずと知れた、温暖化ガス(*1)であるCO2の排出量そのもの。国全体での削減目標もありますが、特定の商品やサービスを利用したときに、どれだけのCO2が排出されるのかを示す指標でもあります。例えば1人が500km(東京~大阪)移動する際に発生するCO2は、鉄道が10kg、バスが27kgに対して乗用車はなんと87kg。大量交通機関の圧勝といえるでしょう。そして意外とCO2排出量が多いのが航空機です。CO2排出量は56kgで鉄道の5倍以上掛かります。

牛丼一杯に水1890リットル!

 そのモノを生産・流通するのにどれだけ「水」が必要だったか、という投入水量も、元々まで辿ると意外な結果が出ます。

 穀物では白米が1kg当たり3600リットルで、小麦の2000リットル、トウモロコシの1900リットルを圧倒しています。しかし、問題は肉類、とりわけ牛肉がヤバイ存在なのです。

 1kg当たりで比べると、投入水量は鶏肉の4500リットル、豚肉の5900リットルに対し、牛肉はなんと2万700リットル。トウモロコシなどを飼料とし、育成に時間が掛かるせいなのですが、牛肉は、まさに「水の缶詰」といえるでしょう。

 ゆえに、総投入水量で見ると、牛肉を使うメニューの独壇場となります。牛丼1杯に1890リットル、ハンバーガー1個に1000リットルといった具合。因みに月見蕎麦が750リットル、讃岐うどんが120リットルです。

水消費量の可視化へ。節水はまずお風呂から

 「水」は、今後数十年で逼迫する資源の最たるものと考えられています。

*1 温暖化ガスとしては他に、家畜のゲップに含まれるメタンガスなどもある。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

「三谷流構造的やわらか発想法」

⇒バックナンバー一覧