経営 X 人事
なぜ職場で人が育たなくなったのか
【第15回】 2010年9月14日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

会社選びを飲み屋選び並みに安直にした
「ネット就職」の功罪を考える

前回は、採用のミスマッチを減らし、学生が自分に合った企業選択をするために、大学と企業の間にある断絶を埋め、連続性を持たせる試みが必要だ、と書きました。採用活動が本格化する秋。今回も引き続き、採用について考えてみます。

「ソニーとかがいいです」

 夏休みが終わると、大学3年生はいよいよ就活に突入します。ほとんど世の中に関心を持たなかった学生も、にわかにさまざまな業界や企業について情報を集め始めることになります。

 この春、ある理工系の国立大学で、大学院生を対象にした「模擬面接」に協力しました。およそ20人の大学院生と面談したのですが、「どんな会社を志望しますか?」という質問に対して、多くの学生が「ソニーとかがいいです」と答えるのです。志望先としてソニーを挙げたのは、8割以上。これには驚きました。

 なかには、「専門性を生かしてゲーム会社でプログラマーになりたい」とか、理系ながら「出版に興味がある」などと、自分の意見を持っている学生もいましたが、それはごく少数でした。

 「ソニーとか」という学生たちは、よく聞いてみると、ほぼソニーとパナソニック(旧松下電器産業)しか知らないのです。「とか」というのはソニーと松下を指すのです。

 理工系学生だから企業のことをよく知らない、ということだけでもないようです。

 先週ご紹介した就職人気企業ランキングを、もう一度見てみましょう。

大学生が選んだ人気企業ベスト20(2009年度)

 この理工系国立大学の教員によれば、入学における難易度の極めて高いこの大学で、連休明け時点での4年生の内定率は6割程度だったといいます。

 なぜかというと、「ソニーとか」しか知らないからです。

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


なぜ職場で人が育たなくなったのか

「なぜ職場で人が育たなくなったか」をテーマに、その背景と要因を考える。そして研究者や識者の知恵を借りながら、「職場で人が育つ方法」を提示していく。

「なぜ職場で人が育たなくなったのか」

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