経営 X 人事
なぜ職場で人が育たなくなったのか
【第14回】 2010年8月31日
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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

企業と学生の相互発見を阻む
大学と企業の間にある見えない断絶

夏休みが終わると、大学3年生の就職活動が始動します。就職情報会社の就職サイトがオープンする10月から来春まで、長くて短い半年の「内定獲得レース」が始まるわけです。多くの学生が、この時期に初めて「産業企業」や「世の中」のこと、さらには「自分のキャリアビジョン」について考えることになります。半年間にできることには限りがありますから、情報不足、理解不足に起因するミスマッチがしばしば発生し、早期離職へとつながりがちです。今回は、大学と企業との不連続な関係について考えてみます。

学生は驚くほど
産業界のことを知らない

 暑すぎる夏がまだ去らず尾を引くなか、就職が決まらない10万人もの大学4年生がラストチャンスに賭けています。そうこうしているうちに大学3年生が再来年4月の就職に向けて活動を開始します。

 この時期、大学では「就職セミナー」が開催され、業界研究や、面接の訓練など、大学3年生はにわか勉強を始めます。私も毎年、いくつかの大学の依頼で、就職セミナーの講師を務めますが、いつも感じるのは、「学生は産業界のことをあまりにも知らない」ということです。

 考えてみれば、これは今に始まったことではないのでしょう。私自身も大学生のころは産業・企業についてはまったく知らなかったことを告白しなければなりません(文学部だったので、もともと関心がなかったという言い訳もしておきます)。

 しかしながら新卒採用において企業の量的確保への意欲が弱まり、多くが「厳選採用」を標榜する以上、大学生としてもそれに対応するべく備えをしなければなりません。選択肢を広く持つために、産業構造についてざっと理解しておく必要があるでしょうし、そのなかで何を選ぶのか、自分の指向と志望もハッキリさせる必要があります。

 でも、現状はなかなか厳しい。

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間杉俊彦 [ダイヤモンド社 人材開発編集部副部長]

1961年、東京都生まれ。1986年 、早稲田大学第一文学部文芸専修卒業、ダイヤモンド社入社。週刊ダイヤモンド編集部に配属され、以後、記者として流通、家電、化学・医薬品、運輸サービスなどの各業界を担当。2000年 週刊ダイヤモンド副編集長。2006年 人材開発編集部副部長。著書に『だから若手が辞めていく』(ダイヤモンド社刊)

 


なぜ職場で人が育たなくなったのか

「なぜ職場で人が育たなくなったか」をテーマに、その背景と要因を考える。そして研究者や識者の知恵を借りながら、「職場で人が育つ方法」を提示していく。

「なぜ職場で人が育たなくなったのか」

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