野田政権が誕生して1年たった。この機会に、野田政権を含む民主党政権のパフォーマンスをみてみよう。

今国会で成立した法案は
事実上、消費税増税だけ

 民主党に政権交代しても、諸情勢は悪化し、多くの国民の期待を裏切った。まず、外交・防衛では、2010年11月メドベージェフ・ロシア大統領が、我が国の領土で不法占拠されている国後島を訪問した。それに先立つ2010年9月には、尖閣諸島漁船衝突問題が発生し、事実上中国船長を無罪放免した。その直後の10月、中国は我が国領土である尖閣諸島を核心的利益に属する地域と宣言した。先月8月、我が国領土で不法占拠されている竹島に、李明博・韓国大統領が上陸した。いずれも、これらは政権交代後に我が国の足下を見られた行動だ。

 国内経済についてもさえない。経済全体を反映するとされる株価を見てみよう。ここ10年間で日経平均の最高値は、安倍政権時代の2007年7月9日の1万8261.98円だ。今の2倍以上の株価である。野田政権時代の株価は低迷したままだ。野田政権がスタートしたのは、1年前2011年9月2日、その日の株価終値は8950.74円。今年3月下旬に一時1万円台を記録したこともあるが、ずっとグタグタの相場である(図1)。