大混戦が続いていたJ1リーグ戦の決着がついた。

 混戦を制したのは鹿島。最終戦はすでにJ2降格が決まっている札幌が意地を見せたため苦戦したが、それでもリーグ最多の年間優勝回数を誇るチームだけのことはある。決めるべきところでゴールを決め、しっかり守りきる手堅い試合運びで6度目のリーグ優勝を勝ち取った。

熾烈なJ1残留争い
最終戦でヴェルディが降格決定

 一方、優勝争い以上のドラマがあったのが、J1残留争いだ。最も降格の可能性が高かったのは17位だった千葉。FC東京を相手に後半35分まで0-2とリードされる絶望的な状況だったが、そこから怒涛の反撃を見せ4-2で逆転勝利。勝点を38に積み上げて15位に浮上、残留を決めた。

 代わりに最終戦の敗戦で17位に沈み、降格が決まったのが東京ヴェルディ。16位には磐田が落ち、J2・3位の仙台との入れ替え戦に臨むことになった。

 入れ替え戦はホーム&アウェー制。今週10日(水)に仙台、13日(土)に磐田で行われる。シーズンを戦い抜いた選手は疲労困憊している。しかも残留・昇格争いのプレッシャーがかかった最終戦の後、中3日、そして中2日で自らの命運をかけた2試合を戦わなければならない。技術や戦術を超え、気力や執念が勝敗を決める壮絶な試合になるはずだ。

 ところでJ2降格が決まった東京ヴェルディ(以下ヴェルディ)のラモス瑠偉常務が最終戦の3日前、この事態を予期していたかのように、Jリーグの規約に対する不満を語っていた。

最終戦前の戦力外通告が試合に影響?
契約更新規約にラモスが苦言!

 「(選手への契約更新通知を)なぜ1週間待てないの? 選手がかわいそうだよ」と。

 規約では「クラブは選手に対し、11月30日までに契約条件の通知をしなければならない」となっている。06、07年の2シーズンをJ2で過ごし、今年はJ1に上がったものの低迷したヴェルディは経営的にも苦しく、この11月30日、11人の選手に「ゼロ円提示」をした。「ゼロ円提示」とは「契約するとしても給料は出せない」ということ。実質的な戦力外通告だ(ゼロ円提示とは非情に感じるが、Jリーグでは選手を他のクラブが獲得する場合、年俸を基に算出した移籍金を支払う必要がある。ゼロ円提示なら移籍金が発生せず、移籍しやすくなるという意味を持つ)。

 今回ヴェルディから「ゼロ円提示」を受けた選手には日本代表で活躍した福西崇史、服部年宏をはじめ今季レギュラーとしてプレーしてきた者も多い。解雇通告を受ければ、誰だってショックを受ける。残留がかかる大事な試合を前に選手を動揺させる規約があるのは納得できないというわけだ。