【第39回】 2009年01月05日
ビル・エモットが混迷の2009年を大胆予測
「世界デフレは日本から始まる」
世界の政財界トップが愛読する英経済誌「エコノミスト・ロンドン」の元編集長で現在国際ジャーナリストとして活躍するビル・エモット氏はここ数年、米国発の金融危機に端を発する主要各国のデフレリスクについて警鐘を鳴らしてきた。1990年代の日本のバブル崩壊とその後のデフレ入りを予見した炯眼の士に、世界同時デフレの可能性を聞く。
![]() |
| ビル・エモット氏 Photo by Justine Stoddart |
―世界同時デフレの可能性をどう見るか。
その問いに答える前に、デフレとは何かをまず理解してもらいたい。デフレとは、その名のとおり、物価が持続的に下落する経済状況を指す。需給バランスが崩れることが主因であり、物価上昇率の鈍化でもなければ、資源価格下落のような相場の問題でもなく、ましてや価格破壊と同義でもない。
その怖さは、ついこのあいだまで深刻なデフレを経験していた日本の政策担当者ならば、よくわかっていることだろう。物価が持続的に下落すると、企業の利益が減り、賃金の下落や失業、ひいては消費の減退と企業活動の縮小を招く。
とりわけ背筋が寒くなるのが「デット(負債)デフレ」で、物価の下落によって貨幣価値が上がることから、おカネを借りている個人や企業の実質的な返済負担が増えてしまう。
質問に戻れば、世界経済がこれほど深刻なデフレスパイラルに陥るかどうかの判断を下すにはさらに今後3~6ヶ月分の統計データが必要だ。ただ、数年内に、主要国がそうした状況に追い詰められる可能性は高まっている。なかには、半年以内にデフレに突入する国もあるかもしれない。
―その可能性が高い国とは?
日本だ。デフレから完全に脱していないまま、今回の金融危機の直撃を受けた。
2007年末から2008年前半に高まった日本のインフレ期待は、しょせんはエネルギーと食料の輸入価格上昇によるものにすぎない。国際商品市場が投機主導のバブルであり、早晩価格が半減するのは目に見えていた。賃金も上がっておらず、消費も弱いままの日本が世界経済の減速で真っ先にデフレ圧力に晒されるのは自明の理だ。
Special Topics
バックナンバー
- 第44回
- EUの要人が福島瑞穂大臣と意見交換 「日本の消費者行政の進むべき道」 (2009年12月24日)
- 第43回
- 「ドイツの派遣労働者は解雇されても、路上に放り出されることはない」~ドイツ労働総同盟(DGB)法務担当幹部に聞く (2009年04月10日)
- 第42回
- ウォール街のリスク専門家が警鐘! 「このままでは金融危機は繰り返される」 (2009年03月16日)
- 第41回
- クレイトン・クリステンセンが語る 教育の破壊的イノベーションのすすめ (2009年03月06日)
- 第40回
- 米国でも深刻化する非正規社員の貧困問題 (2009年03月02日)
- 第39回
- ビル・エモットが混迷の2009年を大胆予測 「世界デフレは日本から始まる」 (2009年01月05日)
新着トピックス
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- 「円高こそデフレの原因」説の怪しさ ──今こそ必要なデフレの経済学(6)
- 日本を元気にする企業の条件
- ホンダ、ヤマハ発、味の素、住友化学… 日本企業にもあるBOP市場開拓のネタ
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 市民による市長リコールもまだできない 阿久根市政“大混乱”の責任は誰にある?
- News&Analysis
- 苦境の地方空港に追い討ちも? 火種くすぶる「ハブ空港」議論の真実
- 岸博幸のクリエイティブ国富論
- 日本のためにならない「FREE」礼賛論を疑え!
- 追跡!AtoZ ~いま一番知りたいテーマを追う!超リアルドキュメント
- 大ヒット商品が続々「特許切れ」へ。 2010年以降、もう「新薬」は生まれない!?
- チャンスを逃さない! 今どき「住活」事情 By SUUMO(スーモ)
- エコポイントがなくても人気は絶大? 想像以上に盛り上がる「エコ住宅」ブーム
- 働き盛りのビジネスマンを襲う 本当に怖い病気
- 手足のひび割れと関節痛が同時に!? 骨の変形をも引き起こす皮膚病の正体
ダイヤモンドオンラインplus 知っておきたい価値ある情報
最新の連載一覧
経済・時事
経営・戦略
スキル・キャリア
Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます
- 公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略
- “不況に強い”にも関わらず売上急減!? 医薬品業界を襲う「2010年問題」とIFRS
- 金融市場異論百出
- 超インフレ国はジンバブエのみ 世界が学んだ「最低限の規律」
- 週刊ダイヤモンド 企業特集
- ユニー 前村哲路社長インタビュー 「現場の自由裁量権を広げ 個店経営のウエートを高める」
- 『社会貢献』を買う人たち
- キレイになって、途上国を支援! 女性の飽くなき「美への探求」が生んだ、一石二鳥のビジネスモデル
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 対等合併の呪

- 岡野工業・岡野代表エッセイ
- “神の手をもつ男”岡野雅行氏が日本の物づくりに「常識を捨て去れ」と喝!

- DOL編集部のツイッターを開始
- 最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。
Business information
この連載について
海外のキーパーソンへのインタビュー連載。『週刊ダイヤモンド』で好評のWorld VoiceがWEBでバージョンアップ。ノーカット版やWEBオリジナル版をアップしていきます。
アクセスランキング
- 2位
- 週刊・上杉隆
- 元秘書として鳩山邦夫氏に苦言を呈す 信念の見えない離党に意味はあるのか?
- 3位
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 4位
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 5位
- 評価が上がる!上司を味方にする技術
- 上司に好かれる話の聴き方、嫌われない質問の方法
Recommend 話題の記事
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 田中秀征 政権ウォッチ
- 鳩山首相「発言のブレ」正当化に疑問を呈す
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 山崎元のマルチスコープ
- 官民一体の海外ビジネス受注期待を怪しむ
- ミドルマネジャーのための「不機嫌な職場」改革講座
- この閉塞感はどうにもならないのか? 組織の成果を最大化する人事制度とは
- SPORTS セカンド・オピニオン
- 大リーグ球団にとっての、日本人選手の価値を考える
- 政局LIVEアナリティクス 上久保誠人
- 参院選がどう転んでも、 政界の「世代交代」加速は止められない

- 【PrimeTime】トップインタビュー
- 「サービス力は人財力と組織力の掛け算」~百瀬次生・日立電子サービス社長

- 【THEProject】プロダクトとサービス最前線
- 現実味帯びる「IFRS」。最新会計基準対応処理システムを低コストで提供
雑誌定期購読のご案内
特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。
1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。
年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。
偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。
お知らせ・ご案内
- 会員専用ページ開始のお知らせ
- 7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。





