ビジネスの意思決定を下すうえで、データの存在は不可欠である。ただ、せっかくの貴重なデータも、その処理が不適切であれば何の役にも立たない。多くの企業がデータ処理は人間が行うべきだと考えているが、人間の関与で生まれるバイアスを排除するためには、処理の段階からAIを取り入れるべきだ。このように「データ主導」から「AI主導」に移行することが人類の次なる進化の形であると、ネットフリックスでバイスプレジデントを務めた筆者は主張する。


 多くの企業は、経営上の意思決定において「データ主導」のアプローチに適応するようになった。データは意思決定を向上できるが、そこから最大の成果を得るには適切な処理機能が必要である。

 多くの人は、その処理を行うのは人間であると思っている。「データ主導」という言葉からは、データとは(最終的に)人間によって処理されるものであり、そのためにデータを精選し要約する作業も、人間によって人間のために行われる、というニュアンスさえ感じられる。