マンションのコミュニケーションを
見える化するサービス

その同社が現在、新規事業として取り組んでいるのが「ベルシェルジュ」だ。一言でいえば、マンション居住者のコミュニケーションをプロデュースするサービスで、マンション専用のホームページを設けて、そこで管理会社・理事会・居住者が情報の受発信を行うことができる。

システム内で居住者情報を一括管理し、登録情報を高セキュリティで保護するほか、情報の入力や更新が容易になる。また、掲示情報をホームページに表示できれば、現地に行かなくても掲示情報の発信ができ、居住者はスマートフォンから情報が閲覧できるので、見忘れや見逃しが減るはずだ。理事会運営管理においても、理事会の日程調整や議題、議事録の周知などがスムーズに行えるようになる。管理人が不在であっても、連絡や管理会社への要望を滞りなく伝えることができる。さらに、決済システムと連動しているので、来客駐車場やゲストルームなどマンションの設備の予約と支払いがウェブ上で完結する。

「多くのマンション管理は、居住者情報を紙ベースで作成し、掲示情報も紙に印刷して各住戸に配るなど、アナログな手法で行われています。来客駐車場やゲストルームの予約も管理人を通しての予約が必要で、その管理人も24時間待機しているわけではない。ベルシェルジュは単なるマンション管理システムではなく、施設を見える化して、管理会社の人手不足を解消するITインフラなのです」

今後、ライフスタイルの変化に合わせて共用の電動レンタサイクル、コワーキングスペース、ランドリーなどの設置を計画することがあるかもしれない。ベルシェルジュを導入していれば、その運用もたやすい。

そしてベルシェルジュは、管理会社向けに無料で提供される。同時に無料の情報誌「ENTLINK」が全戸に配布されるが、同誌には個人レベルでSDGsに取り組めるサスティナブルなマンションライフを送るための衣食住遊の情報が掲載され、その広告収入をベルシェルジュのインフラ費用に充てるというスキームなのだ。

マンション専用のカーシェアを設置して
EV普及の一助に

ベルシェルジュのもう一つの大きな試みが、プラットフォーム上にマンション専用のカーシェアサービスを載せることだ。マンション敷地内に、住人専用のEVと充電スタンドを設置、車両は無償貸し出しで、利用料金だけを徴収するというシステムである。

「もともとベルシェルジュは、マンションに充電スタンドを普及させたいという思いから生まれたのです。今後EVが普及していくにつれ、マンションにも充電スタンドが必要になります。ただ現状では、利用者が少ないために導入が遅れている。そこでカーシェアとセットで設置すれば、導入が進むのではないかと考えました。そのために、ベルシェルジュではシステム上で予約と支払いが完結できることが必須だったのです」

「charge55」と名付けられたこのサービスは、2023年6月にリリース予定だ。

同社のサービスの根底にあるのは「居住者の利便性を向上させること」。時代のニーズを確実に捉えながら、その軸から外れることなく事業領域を拡大している。

●問い合わせ先
株式会社セーフティ&ベル
【本社】
〒141-0031 東京都品川区西五反田7-23-1 第3TOCビル9階
電話:03-6431-9801(代表)
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