テクノロジー系の新興企業はしばしば、その売上高に比して驚くほど高い評価額を受け世間をにぎわせる。そこから見えてくるのは、「ネットワーク・オーケストレーション」というビジネスモデルの明らかな強みであるという。

 

 2014年春、フェイスブックがメッセージサービスのワッツアップ(WhatsApp)を190億ドルで買収した時、誰もがこの疑問を抱いたはずだ――「推定年商2000万ドルのこのサービスは、そのほぼ20倍もの評価額に値するのだろうか?」

 ワッツアップの例は極端かもしれないが、売上高と企業評価額(時価総額)が大きく乖離するケースが増えている。クラウドベースのストレージサービスを提供するドロップボックスは、売上高の40倍に当たる100億ドルの評価額でベンチャー・キャピタルから出資を受けた。空き部屋とゲストをつなぐエアビーアンドビー(Airbnb)は、売上高のほぼ20倍の100億ドルという評価額で資金を調達した。これはハイアット・ホテルやウィンダム・ワールドワイドをしのぐ評価額だ。

 タクシー配車サービスを提供するウーバー(Uber)は資金を調達中だが、次のラウンドでは売上高の推定15倍以上、300億ドルという評価額が見込まれている(その後2014年12月、同社は評価額400億ドルで12億ドルを調達したことを発表)。最近では、アリババが新規株式公開(IPO)で売上高のおよそ10倍の評価額で資金を調達している。

 これらの企業は、投資家に好まれるビジネスモデルの新トレンドを象徴している。かたや伝統的な企業のリーダーたちは、こうした新興企業がなぜそれほど高評価されるのかわからず戸惑っている。収益性がそんなに高いのか。成長の速さがポイントなのか。総資産利益率が高く、限界費用が低いのだろうか。

 これらの疑問に対する答えは、すべてイエスである。

 我々はデロイトと共同で、S&P500企業の過去40年にわたる財務データを調査し、ビジネスモデルと新技術によって企業への評価がどう変化してきたかを検証した。その結果、以下の3つのポイントが明らかになった。