会議の生産性向上は、個人と組織のパフォーマンスに影響する重要な業務課題だ。HBRのエディターが、過去のHBRコンテンツから有益なアドバイスを厳選してまとめる。

 

 ほとんどの会議は自分にとって(そして当然、組織にとっても)完全なる時間のムダだ、と思っている読者はおられるだろうか。その根拠は探すまでもない。次のデータを見れば明らかだ。1つの会社で経営委員会が週に1度の会議を開くと、実に憂慮すべき波及効果が生じる。その週次会議をサポートするために、組織全体で年間30万時間が費やされるのだ。

 そのようにして失われる時間を、私たちはいくらかでも取り戻す必要がある。しかし誰もが囚われている、この果てしなく繰り返されるように思える会議のサイクルに、どう対処すればよいのか。私はHBRの過去記事を読み返し、会議の数を減らす方法、そして会議が避けられない場合はその生産性をもっと高める方法について、最も優れた助言を探った。以下にそれらの概要を記したい。

 最初に、あなたや他の人々の「会議依存症」に対処することから始めるとよいだろう。

 多くの会議に出すぎてしまう理由として、そうすることで自分が重要な存在だと感じられるから、という人が少なくない。だが、次回の会議招集に応じる前にこう自問してみよう。「もし当日に自分が病気になったら、会議の日程は変更されるべきだろうか」。答えがノーであるなら、おそらく出席する必要はない。

 判断に迷った時は、時間管理の専門家で著述家のエリザベス・グレース・サンダーズによる、以下の便利なディシジョン・ツリーを利用するとよい。

 会議を減らすことが本当に不可能であれば、せめて時間を短くするよう努めよう。60分ではなく30分、もしくは15分に設定し、それより早く終えることを目標とする。あるいは、あなたが関わる議題を会議の序盤で取り上げてもらえるよう手配し、その後は退席するという方法もある。

 これは、電話会議の場合には特に重要だ。すべての出席者が最初から終わりまで留まるべき理由はない。どの議題をいつ話し合うか、事前にある程度決めておけばよいだけだ。電話会議中に参加者が実際に何をしているかを知れば、事前の準備に時間と労力を割く価値はあるはずだ。