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再発見!日本の省エネパワー

だれも知らないセメント業界の凄さ
エネルギー効率は世界で断然トップを走る

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第1回】 2010年12月6日
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エレクトロニクスは韓国メーカーの後塵を拝し、自動車も韓国や中国メーカーの追い上げが激しくなっている。そうした中でも、依然として世界のトップ水準を維持しているのが、日本の省エネ技術である。

地球環境を考えると、CO2に代表される温暖化ガスの削減は待ったなしだ。省エネというと、燃費の良い車や家電製品を思い浮かべるが、案外、素材産業の省エネ技術の高さは、正確には知られていない。

国内市場が成熟し、新興国でも価格競争が激しくなる今、日本が生きていくには技術しかない。加えて環境規制をかける場合には、一律ではなく、技術的に省エネ余地の大きい分野に厳しい規制をかける方が、高い効果を見込める。この二つの視点も踏まえて、消費財、生産財取り混ぜて、日本の省エネ技術を再発見する。(ダイヤモンド・オンライン客員論説委員 原 英次郎)

セメントの生産工程は
「料理に似ている」

 第1回は、セメントを取り上げる。セメントは古くからある建設材料で、ごく身近にあるからだれもが知っているのに、どうやって作られているのか、意外と知らない。実は、日本セメント産業のエネルギー効率は、世界トップを走っている。

 セメントの生産プロセスは「料理に似ている」というのは、太平洋セメントの山本泰史生産プロセスグループ・グループリーダー。原材料を調合し、砕いて焼いて、再び調合して砕く。化学的には、石灰石から二酸化炭素をはずす過程でもある。

材料が真っ赤な溶岩状になったキルン内部(写真提供:太平洋セメント)

 セメントの原料は、石灰石、粘土、けい石、鉄原料の4つ。この4種類の原料を調合して、原料ミル(ローラーミル)で砕く。砕かれた原料は予熱装置(SP)に投入されて、ゆっくりと温められ、続いて円筒形のロータリーキルン(焼成装置)の中で1450℃で焼成されると、真っ赤な溶岩のようになる。

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原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

再発見!日本の省エネパワー

地球環境を考えると、温暖化ガスの削減はまったなしだ。省エネというと、燃費の良い車や家電製品を思い浮かべるが、案外、素材産業の省エネ技術の高さは、正確には知られていない。日本の生きる道はやはり技術。消費財、生産財取り混ぜて、日本の省エネ技術を再発見する。

「再発見!日本の省エネパワー」

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