ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
週刊ダイヤモンドで読む 逆引き日本経済史

ドル・ショックの衝撃 
――1971年、戦後国際金融制度が崩壊した日

坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]
【第15回】 2010年12月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

大正時代から現代まで、その時代の経済事象をつぶさに追ってきた『週刊ダイヤモンド』。創刊約100年となるバックナンバーでは、日本経済の現代史が語られているといってもいい。本コラムでは、約100年間の『週刊ダイヤモンド』を紐解きながら歴史を逆引きしていく。今回は、戦後の国際金融制度であるブレトンウッズ体制が崩壊し、揺れ動くグローバリゼーションの最初の号砲となった1971年8月15日のドル・ショックまで逆引きしよう。(坪井賢一)

たった4ヵ月で変動→固定相場へ逆戻り
「スミソニアン協定」とは

 1973年2月、日本は変動相場制に移行した。10月の石油危機で、世界が必要以上のパニックに巻き込まれたのは、変動相場制下に起きた最初の大事件だからである。2月までは1ドル=308円の固定相場制度だった。この固定レートは、1971年12月18日、米国のスミソニアン博物館で開催された10か国蔵相会議で決まったため、スミソニアン・レートという。

 この10か国蔵相会議で決まった内容をスミソニアン協定という。協定の内容は下記のとおりである。

・金1オンス=38ドル(戦後ブレトンウッズ体制では36ドル)
・1ドル=308円(同360円)
・為替変動幅(バンド)=上下に2.25%(同1%)

 以上のように固定相場制度に戻したものの、けっきょく続かず、1973年2月から3月にかけて各国は変動相場制へ移行していった。米国の貿易赤字は増大し続け、ドルが売られていったのである。

 固定相場を守ろうとすると、バンドの範囲におさめるために各国通貨当局は自国通貨を売り、ドルを買い支える必要があるわけだが、限界はやってくる。基本的な構造が変わらなければ市場を制御するのは難しいからだ。

 スミソニアン協定が成立する4ヵ月前の1971年8月15日から事実上の変動相場となっていた。それを4ヵ月で固定相場に戻したのがスミソニアン協定である。

1971年8月15日、
ニクソン大統領が突如発表「金ドル交換停止」

 1971年8月15日日曜日(米国時間)、米国のニクソン大統領は、議会にも相談せずに「金とドルとの交換停止」を発表した。つまり、戦後国際金融制度を規定していたブレトンウッズ体制を1人で崩壊させたのである。おそらく、第2次大戦後65年間で最大の出来事であろう。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年3月4日号 定価710円(税込)

特集 文系こそ学べ 勝つための絶対スキル データ分析

統計分析 Excel入門 データに強くなる

【特集2】
コーヒービジネス大活況
サードウェーブの次に来る波

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。


週刊ダイヤモンドで読む 逆引き日本経済史

大正時代から現代まで、その時代の経済事象をつぶさに追ってきた『週刊ダイヤモンド』。創刊約100年となるそのバックナンバーでは、日本経済の現代史が語られているといってもいい。本コラムでは、100年間の『週刊ダイヤモンド』を紐解きながら、歴史を逆引きしていく。

「週刊ダイヤモンドで読む 逆引き日本経済史」

⇒バックナンバー一覧