普通の感情を持った普通の政治家としての
小沢一郎を報じないマスメディア

「20年以上もマスコミからずっと批判されているとさすがに草臥れますよ。正直に言えば、永田町に行くのがバカバカしくて政治家を辞めたくなる時もあります。でも、そこで逃げたんじゃ、応援してくださっている地元の支援者にも申し訳ないと思って、がんばっております」

 昨夜(1月11日)、筆者がキャスターを務める「ニュースの深層」(朝日ニュースター)に一時間の生出演を果たした小沢一郎氏は、番組冒頭、こう漏らした。

 傲慢で恐ろしい権力者と呼ばれている小沢氏が弱音を吐き、素顔を見せた一瞬だった。

 いや、実は小沢氏のこうした発言は決して珍しくない。小沢氏の記者会見に出ている記者ならば、普通の感情を持った普通の政治家だとわかるだろう。

 実際、筆者の番組では笑い、嘆き、そして政治家として目指している夢を語った。

 だが、その翌日にあたる今日12日、昨夜の小沢氏の姿を伝える記者クラブメディアの報道は一切なかった。小沢氏の語った政策は完全に黙殺され、その代わり、案の定ではあるが、政倫審の出席はいつか、などの小さな政局報道に終始している。

 筆者は自分の番組をなぜ取り上げないのか、などというケチなことを言っているのではない。きちんと伝えない記者たちに心から失望しているのだ。

 こうした現象は断じて小沢一郎という政治家の問題ではない。もはやメディアの報じ方の問題なのである。

 最新版の『ニューズウィーク』(日本版)が次のような特集を組んでいる。