キャメロン英首相は9日(日曜)午前のBBCテレビに出演し、財政再建策を推し進めることの重要性を説くと同時に、インフレの問題を軽んじていないことを国民に強調した。昨年来、英国ではインフレへの不満が増加している。

 英政府は1月4日にVAT(付加価値税)を17.5%から20%へ引き上げた。この要因もあり、消費者物価指数前年比は春までに+4%に達しそうな勢いである。イングランド銀行のインフレ目標は+2%だが、ここ数年ほとんどの月で上ぶれしている。インフレ目標の信認を問う声が高まっている。

 4日朝にロンドンの地下鉄駅で7日間パスを買ったところ、従来の25.8ポンドが27.6ポンドに上がっていた。カフェでもコーヒーが値上がりしていた。店員は「VATが上がったからね」と首をすくめていた。内税方式なので税率の引き上げは、消費者の目には一夜にして物価が急上昇した印象になる。デフレの国からやって来ると、これはなかなか新鮮な感覚だ。