全国の地方議会に今、住民の厳しい視線が注がれている。

 首長(執行部)の追認機関でしかなく、単なるセレモ二―要員だ――、民意から遊離し、役割を果たさない無用な存在だ――、特権の上に胡坐をかく役に立たない人たちの集まりだー―などなど。住民の議会への不信不満は膨らむばかりで、議員定数や報酬の大幅削減を求める大きな動きにつながっている。確かに、今のような地方議会ならば、あっても意味はない。ムダだと一刀両断してしまいたくなる気持ちも理解できる。

 しかしながら、地方議会は本来、地方自治の一翼を担う大事な存在のはず。首長(執行部)を監視し、民意を反映させ、さらには政策立案するなど重要な役割を担う機関である。実際にそうした役割を十二分に果たしている議会は皆無といえるが、それでも、本来の機能を果たすべく努力を重ねている議会が今の日本社会の中に存在しないわけでもない。議員自らが改革に立ちあがり、住民の負託に応えようと必死になっている議会もなくはない。そうした希有な事例が、福島県会津若松市議会だ。

 地方議会関係者の間で議会改革のトップランナーと評価されているのが、会津若松市議会である。全国から議会視察に訪れる人達が絶えず、2009年度は140件、1253人にのぼった。住民参加を起点とした政策立案の手法と、議員間討議を重視する独特の議会運営に注目が集まっている。昨年末には市議会として「議会からの政策形成」という専門書を編集し、出版した。政策立案の手法や議会運営の進め方などを詳細に解説したもので、全国から相次ぐ視察にも活用するという。

 だが、会津若松市議会も2、3年前まではごく普通の地方議会だった。住民から存在意義を疑問視されるレベルでしかなかった。そんな会津若松市議会が大きく変貌するきっかけとなったのが、市町村合併によるマンモス議会化と議員間のトラブルだった。