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【オリエンタルランド】
デフレ下で値上げを打ち出す
大型投資回収の“成功パターン”

週刊ダイヤモンド編集部
【第16回】 2011年2月8日
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このデフレ下に、オリエンタルランドは東京ディズニーランドと東京ディズニーシーのチケット料金の値上げを打ち出した。その強気の背景にあるものは何か、公表数字から読み解く。

 オリエンタルランド(OLC)が、東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)のチケット料金を値上げすると発表したことに驚いた読者も多いだろう。なにしろこのデフレ下である。2011年4月からの新料金はワンデーパスポートの大人料金が400円アップの6200円など、4~16%の値上げとなる。「アトラクション新設や新しいショーなどで、ゲスト(利用者)の体験価値を上げてきたため」と同社幹部は値上げの背景をこう話す。

 そもそも、テーマパークは巨額の先行投資を行い、それを回収していくもの。OLCも前回の値上げ(06年度)以降、合計で約1400億円もの巨額投資を行ってきた。だが、同社の戦略が巧みなのは、先行投資を値上げで回収する際に、さらに新たな投資を行うことで、リピーター客の興味を引き、集客につなげていく点だ。

 現に、これまでも値上げ後に客数を伸ばしてきた。図(2)は客数とチケット料金の推移を表したもの。06年度に300円の値上げを行ったが、06年度の客数は4.2%増加(前年度比)している。その原動力は、値上げ3日後に開始した「タワー・オブ・テラー」(投資額は210億円)という大型アトラクション。加えてTDS開園5周年イベントで話題を集めるなど、絶妙な集客戦略を展開した。

 今回の値上げもこのモデルを踏襲する。11年度は「シンデレラのフェアリーテイル・ホール」などの新アトラクションを三つ導入するうえ、TDS開園10周年イベントを盛大に行う予定なのだ。

 同社の成功モデルはそれだけにとどまらない。じつは、OLCは、台風などの悪天候や円高による観光客の減少などのリスク要因があるため、客数の見通しは公表していない。その反面、増益効果については、「30億~40億円を見込む」(幹部)としている。

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