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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

バランスシート調整一巡後の日本が立たされる岐路。
「持病」は続くがマインド改善、日本株の見直しも
――高田創・みずほ証券グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長/チーフストラテジスト

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト],熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト],島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト],森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]
【第10回】 2011年2月9日
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3年半でバランスシート調整は
一巡したが、「持病」は続く

 筆者が、2007年後半以降の過去3年半、一貫して行なってきたストーリーラインは、欧米でのバランスシート調整の進行にある。過去の歴史を振り返り、過度な信用拡大と、その結果生じうるバランスシート調整ではいくつかの共通項が存在する。

・ゼロ時段階:信用拡大に伴う資産価格高騰

・第一段階:資産価格下落に伴うバランスシート調整の発生としての企業やファンドの危機

・第二段階:企業・ファンド危機が金融機関に波及して、金融システム問題化

・第三段階:金融などの危機対応から国債の大量発行

・第四段階:国債などの財政問題と制度対応

――という一連の流れである。

 ここでのプロセスは、信用拡大に伴う債務負担を、企業・ファンド→金融機関→公的セクターに段階的に肩代わりされることを意味する。

 国債とは、公的セクターに肩代わりされた見返りに発行されたものであり、筆者は長年、国債を「過剰債務を肩代わって積み上がった身代わり地蔵」と表現してきた。日本の今日の巨額な国債残高は、1990年代以降の調整によるものであり、欧米での国債問題の背景にも、2007年以降のバランスシート調整が存在する。

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。

熊野英生 [第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト]

くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。

島本幸治 [BNPパリバ証券東京支店投資調査本部長/チーフストラテジスト]

しまもと・こうじ/1990年、東京大学卒業、日本興業銀行入社。調査部門で金利分析や経済予測を担当。2000年からBNPパリバ証券で投資調査本部長兼チーフストラテジストとして金融市場予測を担う。日本経済新聞社の債券アナリスト・エコノミスト人気調査の債券部門では06、08年に1位。金融庁の金融市場戦略チームや金融税制研究会、行政刷新会議の事業仕分けなどに参加。

森田京平 [バークレイズ証券 チーフエコノミスト]

もりた・きょうへい/1994年九州大学卒業、野村総研入社。98年~2000年米ブラウン大学大学院に留学し、経済学修士号を取得。その後、英国野村総研ヨーロッパ、野村證券金融経済研究所経済調査部を経て、08年バークレイズ・キャピタル証券入社。日本経済および金融・財政政策の分析・予測を担当。共著に『人口減少時代の資産形成』(東洋経済新報社)など。2010年7月より、参議院予算委員会内に設置された「財政再建に向けた中長期展望に関する研究会」の委員を務めている。

 


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

「経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層」

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