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新日鉄と住金の合併を促した資源争奪戦の熾烈
日本企業の戦略的再編はまだ「W杯予選」レベル?

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第163回】 2011年2月15日
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 2月初旬、久しぶりにわが国の大企業同士の合併のニュースが報道された。国内の鉄鋼業界トップの新日本製鐵と同3位の住友金属工業が、2012年10月をメドとして、経営統合に向けた検討を始めると発表した。

 今回の大型合併については、これから公正取引委員会の承認が必要となるのだが、経営統合が首尾よく成立すると、世界最大のアルセロール・ミタルに次いで、世界第2位の鉄鋼メーカーが誕生することになる。

 これによって、ようやくわが国でも、鉄鋼業界の再編が具体的な格好で動き出したことになる。やや遅きに失したとの印象はあるものの、統合が進展するとその意味は決して小さくないはずだ。

2社の合併のポイントは、
単なる「規模の拡大」にあらず

 重要なポイントは、ただ単純に大規模な鉄鋼メーカーができ上がることではない。わが国の鉄鉱業界の再編が進み、世界市場に通用するようなビッグ・ビジネスが誕生することだ。

 世界的な販売競争、資源争奪戦が厳しさを増していることを考えると、わが国企業、さらにはわが国経済全体にとって、世界規模の企業誕生は生き残るために必須の条件なのである。今回のケースが引き金となり、今後、業界の再編が進むことは、わが国経済全体にとって明るいニュースとなるだろう。

 今回、新日鉄と住友金属の合併に合意ができた背景には、わが国企業を取り巻く経済環境が厳しさを増していることがある。世界の鉄鉱業界を見ても、世界市場での競争が激化していることに加えて、原料である鉄鉱石などの資源争奪戦が一段と厳しさを増している。 

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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