家族の絆を強固にする
資産承継への道

 何より忘れてならないのは、譲る側の今後の生活分をきちんと確保した上で贈与を考えること。そのためには、不動産や現金、株式・債券だけでなく、宝石(金・プラチナなどを含む)や骨董品、絵画など美術品、家財なども含めた財産の洗い出しが必要だが、それらの評価額を個人で把握することはなかなか難しい。

 一度、専門家に確認してもらい、第三者的視点からアドバイスしてもらった方が安心だ。場合によっては、贈与税を払ってでも相続税を払うより割安になることもある。また、贈与したつもりでいた資産が税務上の不備から贈与になっておらず、相続税の対象になるといったトラブルも少なくないという。

 多田税理士は、「資産を譲る側は、相続での争いの火種を残さないよう相続人全ての気持ちを考え、贈与で家族のつながりを強化する資産承継を考えてほしい。専門家はそのサポートをする」のだと言う。

 
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