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福島原発震災――チェルノブイリの教訓を生かせ(1)

2011年3月14日
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 3月13日午後8時の時点で、東京電力福島第1原子力発電所1、2、3号機、第2原子力発電所1、2、4号機と、計6基の原子炉の冷却装置が震災の影響で作動せず、「緊急事態」にいたっている。

 12日には第1原発1号機の建屋が水素爆発で吹き飛び、放射性物質が外部へ飛散し、住民が被曝しているが人数などはまだ確定していない。このような事象を「原発震災」という(注①

 東京電力の沸騰水型原子炉の場合、3つの防護壁が用意されている。原子炉圧力容器、格納容器、そして建屋だ。1号機の建屋はこなごなに吹き飛んだが、厚さ1.5-2mもある頑丈な構造物だから、爆発の映像は衝撃的だった。

 枝野官房長官の記者会見によれば、格納容器は損傷していないということだから、膨大な放射性物質が大気へ出たわけではない。しかし、膨大ではないが大量の放射性物質が出たことは間違いない。

 現に2キロ圏内で避難の遅れていた病院と特別養護老人ホームにいた人、3キロ離れていた場所を移動中の避難住民、計190人が被爆した可能性があり、22人の被曝を確認している。被曝者はこれからもっと増えることになるだろう。除染など万全の処置が必要である。

 なお、現在、第1原発の1、2、3号機がすべて格納容器内の圧力を下げるため、断続的に放射性物質を含む気体を大気へ逃がしているため、放射性物質は爆発事故の前から現在にいたるまで、大気へ出ているのである。

 政府が広い地域で周辺住民を避難させているのはそのためだ。なお、この3号機はプルサーマルの燃料を使用しているので、プルトニウム混合化合物が燃料棒に乗っていることを忘れてはならない。

 では、どのくらいの量が大気に飛散しているのだろうか。飛散した放射性物質の量についての発表はない。放射線量の計測結果だけである。また、どのような物質が出ているのか。ヨウ素とセシウムを検出したとだけ一度発表されている。

 現在進行形の福島原発震災を考える際、参考にすべきは25年前のチェルノブイリ原発事故(1986年)である。32年前のスリーマイル島原発事故(1979年)に類似しているという説もあるが、建屋が吹き飛ぶ爆発を起こしたのはチェルノブイリだけである。

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