ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
身近な人ががんになったときに役立つ知識
【第15回】 2017年2月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
内野三菜子

昨年1年間の医療費が
家族で10万円を超えたら確定申告を!

1
nextpage

治療費が高額になりがちな「がん」。しかし、それだけでなく、1年間で多額の医療費がかかったら(それも家族で!)、確定申告してみましょう。税金が戻ってくる優遇があります。日本では公的な保障があり、多くの人を支えていますが、それらは申請しないともらえないものがほとんどです。ぜひ知っておきたいものです。
現役の国立病院の内野三菜子医師が、がんの主治医に聞きにくいようなことや、知っておいたほうがいいことなどを解説した本『身近な人ががんになったときに役立つ知識76』の中では、治療や病院選びのほかに、こうした公的な保障や制度についても詳しく解説しています。
この連載では、その本の中から気になるところを、再編集して紹介していきます。

家族単位で医療費が1年で
10万円以上かかっていたら申告を!

内野三菜子(うちの みなこ)
東京都出身。国立国際医療研究センター国府台病院 放射線治療室長。聖マリアンナ医科大学放射線科、埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科を経て、カナダ・トロントのプリンセスマーガレット病院放射線腫瘍科にて、日本人初のクリニカルフェローとなる。並行してトロント大学オンタリオ教育研究所(大学院)医学教育学にて修士号取得。帰国後、国立国際医療研究センター病院を経て、現職。日本医学放射線学会専門医(放射線治療)、がん治療認定医

1年間の医療費が、家族で10万円を超えたら?

 がんをはじめとした病気で医療費がたくさんかかった場合は、健康保険などの社会保障だけではなく、税金面でも優遇が受けられます。毎年2月16日~3月15日に行われる確定申告は、医療費がたくさんかかった人には「医療費控除」で払いすぎた税金を取り戻すチャンスです。

 1年間(その年の1月1日~12月31日まで)に支払った家族みんなの医療費が、10万円(総所得金額が200万円未満の人は総所得金額の5%)を超えると、医療費控除ができて支払った税金の一部が還付されます。

 サラリーマンは会社の年末調整で一応の税額が決まっていますが、医療費がかかったかどうかは人それぞれ。会社では対応しきれないので、個別に確定申告をして、一度納めた所得税を払い戻す仕組みになっています。

 控除の対象になるのは、医療費から一律に10万円を差し引き、さらに民間保険などから補てんされたお金があれば、それも差し引きます。これに、自分の所得税率(所得に応じて5~45%)をかけたものが、還付金の目安になります。

 たとえば、課税所得300万円で、所得税率10%のAさんの還付金を計算してみましょう。Aさんは肺がん治療で、年間100万円の医療費を支払い、民間保険から30万円の給付金をもらいました。このケースでは、医療費控除の金額は60万円なので、還付金はその10%の約6万円になります。
 医療費控除は、納税者本人の医療費だけではなく、「生計を一にする」家族みんなの医療費をまとめて申告できます。下宿している子ども、仕送りしている高齢の親の医療費も対象です。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
新・独学術

新・独学術

侍留啓介 著

定価(税込):本体1,500円+税   発行年月:2017年6月

<内容紹介>
「ビジネスに必要な教養」をすべて最速で身につける! 「思考力」「知識」「論理力」「英語力」……仕事に使える知的リソースを最大化する方法とは? 外資系エリートの世界で次々と降りかかる難題を解決するために駆使してきた最も合理的な「頭の強化法」。これが現代ビジネスマンに最も求められる「知性」の磨き方!

本を購入する
ダイヤモンド社の電子書籍

(POSデータ調べ、6/18~6/24)



東京都出身。国立国際医療研究センター国府台病院 放射線治療室長。
聖マリアンナ医科大学放射線科、埼玉医科大学国際医療センター放射線腫瘍科を経て、カナダ・トロントのプリンセスマーガレット病院放射線腫瘍科にて、日本人初のクリニカルフェローとなる。並行してトロント大学オンタリオ教育研究所(大学院)医学教育学にて修士号取得。帰国後、国立国際医療研究センター病院を経て、現職。日本医学放射線学会専門医(放射線治療)、がん治療認定医。
 


身近な人ががんになったときに役立つ知識

今「がん」に関する情報があふれています。しかし、情報が多すぎ本当に正しい情報はなんなのか……と迷う人が多いのも事実です。
そこで、がん患者さんに日々接している現役の国立病院の内野三菜子医師が、がんの主治医に聞きにくいようなことや、知っておいたほうがいいことなどを解説、まとめた書籍『身近な人ががんになったときに役立つ知識76』より、その中で気になるところを紹介していきます。
 

「身近な人ががんになったときに役立つ知識」

⇒バックナンバー一覧