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窓を液晶画面にする新商品が、旭硝子社内で賛否両論だったワケ

笠井英雄(旭硝子 事業開拓部新ガラス商品展開グループ ガラスサイネージ担当リーダー)

週刊ダイヤモンド編集部
【第2回】 2017年2月3日
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表通りに立つ笠井を左手前に、建物の内側から貼り付けたインフォベールを見た状態。 Photo by Shinichi Yokoyama

 連結売上高で1兆3263億円の旭硝子は、世界一の総合ガラスメーカーではあるが、正面から指摘されたくない“泣き所”を抱えている。

 商業施設に例えるならば、“顔”である1階部分が弱いのだ。1階は、業者に対する要求水準が高く、受注競争も激しい。華々しい実績はできても、個々の業者の実入りは少ない。一方で、建物の2階よりも上の部分は、地味ではあるが、数量が稼げる。これまで、旭硝子は1階を避けてきたのだ。

 ところが、旭硝子にはこの一等地に食い込もうと、情熱を傾けている男がいる。事業開拓部の笠井英雄だ。彼を筆頭に約30人の専任メンバーが取り組む新規プロジェクトが、「インフォベール」という高付加価値型の新製品だ。

 これは、街中でもよく見掛けるようになったデジタルサイネージ(電子看板システム)の一種だが、建物などにある既存の窓ガラスの内側から、直接、液晶ディスプレイのユニットを貼り合わせてしまう点が他と異なる。隙間なく密着させることで画質が大幅に向上し、一般的なサイネージのように設置スペースを取らない。さらに、高いデザイン性が持ち味である。

 窓ガラスに超薄型のディスプレイをベタッと貼り付けたような格好で、サイズは大きくも小さくもできる。最大の特徴は、ガラスと化学の複合技術であり、世界でも旭硝子にしか製造できない点だ。

半導体での厳しい経験が
アイデアマンを生み出す

 旭硝子きってのアイデアマンとして知られる笠井は、どのような人物なのか。まず、社内のスキー部を創設した行動派である。次に、過去30年間、松濤館(しょうとうかん)流空手の道場に通う武道家(全日本空手道連盟の5段)でもある。さらに、スーツにはこだわり、細部にまで気を使うおしゃれさんでもある。

 2011年の秋に、社内で放映された社員紹介ビデオでは、道着姿で空手の形を披露し、“ワイルド事業部長”というテロップが流れた(当時の笠井の肩書は、電子部材事業本部アドバンストマテリアル事業部長だった)。

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