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旭硝子が「バイオ医薬品」で勝負に出た理由

週刊ダイヤモンド編集部
2016年12月27日
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奇をてらうことなく、着実な成長に向けて全体の舵取りを進める島村琢哉社長(右)。出身母体の化学品部門は、社内に対してもガードが堅いことで知られる。一連のM&Aは、B2B部門の体質改善につながるか Photo by Hitoshi Iketomi

 12月20日、世界一の総合ガラスメーカーである旭硝子は、約600億円を投じてデンマークのCMCバイオロジックス社(バイオ医薬品開発製造受託企業)を買収した。過去3番目の規模となる大型案件だった。

 今回のM&Aは、旭硝子の連結売上高1兆3263億円(2015年度)の約24%を占める、化学品事業部内で起きた“事件”であり、スピード感たるや、過去の旭硝子の辞書にはなかったほど電光石火の早業だった。

 時系列で見ると、彼らの能力増強作戦の狙いが浮き彫りになる。

 1985年に旭硝子で立ち上がったバイオ事業部は、2000年から国内の医薬品メーカーなどに納入する「微生物」の細胞を使った医薬品製造受託(請け負いビジネス)を開始した。以来、守秘義務などを口実にガードが固く、大半の社員が存在すら知らない影の専門家集団であり続けた。

 ところが、31年経って、一気に表舞台に躍り出ることになる。16年8月末にドイツの医薬品開発製造受託(開発にも深く関与する請負ビジネス)を手掛けるバイオミーバ社の全株式を取得したのだ。このM&Aで、旭硝子は2つの“跳躍台”を手に入れた。

 平たく言えば、1つはバイオ医薬品の主戦場である欧州市場に足掛かりができたこと。もう1つは、「製造受託」の立場から、一段上の「開発も含む製造受託」へと自らのポジションを“格上げ”できたことである。

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