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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

旭硝子が取り組むディズニー流「若手のチャレンジ促進法」

週刊ダイヤモンド編集部
2016年7月11日
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過去10年間、業績の急上昇と急降下を繰り返した世界一のガラスメーカー・旭硝子。世間では、日本企業のグローバル化で先進事例の1つと考えられ、優良企業の代表選手とされた。だが、就任2年目の島村琢哉社長兼CEOにストレートな疑問をぶつけたところ、若手社員の断続的な流出に頭を悩ませ、かつてやったことがない米ウォルト・ディズニー・カンパニーのアイディア創出法をアレンジして導入するなど、閉塞感と向き合う企業の実像が浮き彫りになった。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨 仁)

――今年の2月に「2025年のありたい姿」を打ち出しました。しかし、中身は総花的でメリハリがない印象があります。例えば、最盛期には利益率が40%を超えていたものの、その後は低迷が続く液晶ディスプレイ用ガラス部門を売却するなどの大胆な改革を行わなければ、社内の閉塞感を打ち破れないのでは。

しまむら・たくや
1956年、岡山県生まれ。神奈川県鎌倉市で育つ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、旭硝子に入社。最初の配属先は、千葉工場事務部製品課だった。その後は、主に化学品部門の営業職に従事。2003年2月~06年4月、アサヒマス・ケミカル(インドネシアの子会社)社長を務める。10年1月、旭硝子の執行役員兼化学品カンパニー・プレジデント。13年1月、常務執行役員兼電子カンパニー・プレジデント。15年1月、社長兼CEOに就任する。 Photo by Shinichi Yokoyama

 いやいや。振り返ってみれば、11年から14年までの4年間は連続して収益が下降線を描いていました。その後、14年10月の決算発表(第3Q)で、やっと(1)16年から成長軌道にシフトする、(2)過去数年間の懸念事項だった液晶ディスプレイ用ガラスに偏っていた収益構造を改める、と話せるようになりました。

 今回の「ありたい姿」では、ターゲットとなる“戦略事業”を社長就任発表時(14年10月)の6つから3つに絞り込んでいます。3つとは、モビリティ、エレクトロニクス、ライフサイエンスの分野です。25年にありたい姿は、この3つの分野で収益全体の40%を稼ぐような会社になりたいという思いを込めています。ですから、総花的ではありません。言うなれば、「ガラスそのもの」というよりも、「ガラスを使った何か」に成長の力点を移しています。

――過去最高の営業利益は2292億円(10年度)でした。現在、足元の業績には、どのような影響が出ていますか。

 04~10年の業績をけん引してきた液晶ディスプレイ用ガラスは、社内で“50年に1度のお化け商品”と言っていました。極東地域を中心に世界で4社しか供給できなかったこともあり、ブラウン管テレビから液晶テレビへの買い替え需要の大波に乗ることができました。その後、需給のバランスが大きく崩れて競争は激化し、私たちの予想を上回るスピードで業績が悪化しました。

 しかし、その影響も底を打ち、過去数年間注力してきた収益構造をバランスさせる「ポートフォリオ経営」の効果が少しずつ表れてきました。例えば、14年の営業利益は621億円に下がりましたが、翌15年には712億円まで戻していますし、今期は750億円になる見込みです。また、16年は海外で投資してきた設備が本格的に稼働することから、ようやく“攻め”に転じることができます。

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