東日本大震災から2週間あまり。被害状況を把握することすら目処が立たない不安の中、今後の雇用情勢を危ぶむ若者の声も少なくない。そうしたなか、2012年度の新卒採用について、各企業はどのような対応を考えているのか。HRプロ(東京都千代田区)は、今回の震災が新卒採用に与える影響を企業にアンケートした内容を発表した。
集計期間は3月18日~3月22日。同社の運営する人事ポータルサイトに登録する企業108社の人事担当者から回答があった。
採用予定数に「影響なし」約7割
「採用予定数はほとんど影響を受けない」
「今回の震災の影響で2012年度新卒採用人数が影響を受けると予想されていますか」という問いに対して、71.3%の企業がこう回答した。さすがに「増えると予想する」と答えた企業は1社もなかったが、「1~2割減少すると予想する」は15.7%、「3割以上減少すると予想する」は6.5%にとどまった。もちろん、今後の状況によって判断が変わってくることは充分に考えられるが、現在の時点で新卒採用の人数を当初より減らす企業は少数派だ。
自由回答に寄せられた「経済活動は持続すべきだと思っている。採用活動は直接的な経済活動ではないが、長い目で見れば経済活動につながって行くので、採用を止めるべきではないと考えている」(不動産会社の人事担当者)というコメントの通り、採用数を減らすことは得策ではないという思いを多くの企業が抱えている。