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エネルギー政策の見直しが
後押しする電気自動車の普及

週刊ダイヤモンド編集部
2011年4月5日
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 東日本大震災の被災地で、電気バイク、電気自動車(EV)が大活躍している。

 電気バイク製造のテラ・モータースの2010年の販売台数は300台だったが、「震災以降の2週間で200台も売れた」(徳重徹社長)という。

 電気バイクは電力でモーターを動かすことで発進する。給油も必要がないからガソリンの足りない被災地でも、すぐに走行可能だ。夜間に充電すれば節電対策の足を大きく引っ張ることはない。

 同社の工場は宮城県仙台市にあるが被災しなかったために、周辺の被災地に早期に出荷が可能だった。被災地では「病院に薬を運ぶためなどに使われている」(徳重社長)という。

 バイクだけではない。日産自動車は被災地にEVのリーフ50台を、三菱自動車と三菱商事は同じくEVのアイミーブを89台提供している。アイミーブは「災害対策本部と避難所の連絡や、医師の巡回などに活用されている」(三菱自動車関係者)。

 震災からの復興は、EVの普及を後押しすることになりそうだ。

 まずは、災害時のガソリン車偏重のリスクを解消するために自治体や医療機関で一定割合をEVに代替していく動きが出るだろう。

 加えて、「各国のエネルギー政策の転換が、大きくEVの普及を後押しする可能性がある」(日産首脳)。

 EVは電気の需要を増やしてしまうから、短期的に見れば、節電が求められるなかで大量に出回ることには懸念が出るかもしれない。

 しかし、福島第1原子力発電所の被災により、中長期的には日本や世界でエネルギー政策の見直しが起るのは不可避だ。すでに菅直人首相は太陽光発電などへの転換を強調している。

 またドイツでも決定していた原発運転延長を凍結するなど、世界各国でも原発の見直しの動きが出始めている。

 太陽光発電とEVは相性がいい。太陽光発電は発電量が気候に左右されるため、発電時と必要時にずれが生じやすい。そこで、余ったときは電池にため、足りないときに電池から引き出すことが理想的とされている。EVに内蔵される大型電池は、その役割を果たすのにうってつけなのだ。

 現在、リーフやアイミーブではいったん充電池にためた電気を、家庭へと逆流させる、いわゆる放電はできないが、日産も三菱も近い将来には放電が可能なタイプのEVを発売する見込みだ。

 「放電できるタイプのEVの発売を前倒しする可能性もある」(日産技術者)

 太陽光発電などのクリーンエネルギーとEVの組み合わせは将来、数十兆円の市場になると見ている自動車メーカー関係者もおり、こうした複合的な仕組みで海外へ売り込むことができれば、日本の復興の推進力にもなる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 清水量介)

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