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三流の維新 一流の江戸
【第41回】 2017年3月18日
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原田 伊織

1872年に日本人がパリを豪遊した
「山城屋和助事件」を知らないとヤバイ!

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江戸という時代は、明治近代政権によって「全否定」された。
私たちは学校の教科書で、「明治の文明開化により日本の近代化が始まった」と教えられてきたが、はたして本当にそうなのか?
ベストセラー『明治維新という過ち』が話題の原田伊織氏は、これまで「明治維新とは民族としての過ちではなかったか」と問いかけてきた。
そして、今回さらに踏み込み、「2020年東京オリンピック以降のグランドデザインは江戸にある」と断言する。
『三流の維新 一流の江戸』が話題の著者に、「山城屋和助事件」について聞いた。

福澤諭吉の『明治十年丁丑公論』

原田伊織(Iori Harada)
作家。クリエイティブ・プロデューサー。JADMA(日本通信販売協会)設立に参加したマーケティングの専門家でもある。株式会社Jプロジェクト代表取締役。1946(昭和21)年、京都生まれ。近江・浅井領内佐和山城下で幼少期を過ごし、彦根藩藩校弘道館の流れをくむ高校を経て大阪外国語大学卒。主な著書に『明治維新という過ち〈改訂増補版〉』『官賊と幕臣たち』『原田伊織の晴耕雨読な日々』『夏が逝く瞬間〈新装版〉』(以上、毎日ワンズ)、『大西郷という虚像』(悟空出版)など

 福澤諭吉による『明治十年丁丑公論』は、次の緒言から始められている。

―― 凡(およ)そ人として我が思う所を施行せんと欲せざる者なし。即ち専制の精神なり。故に専制は今の人類の性と云うも可なり。人にして然り。政府にして然らざるを得ず。政府の専制は咎(とが)むべからざるなり。
 政府の専制咎むべからざると雖も、之を放頓(ほうとん)すれば際限あることなし。又これを防がざるべからず。今これを防ぐの術は、唯これに抵抗するの一法あるのみ。世界に専制の行わるる間は、之に対するに抵抗の精神を要す。その趣は天地の間に火のあらん限りは水の入用なるが如し。――

 つまり、人が権力を手にすれば専制に陥るものであり、それは仕方がない、但し、それを放置すれば際限がないので、大切なことは抵抗すること、抵抗の精神をもつことである、というのである。

 思想啓蒙家として誰もが知る福澤の「本性」は、武家のそれであり、彼の啓蒙思想は武家的精神に支えられている。

 このことは、意外に軽視乃至(ないし)は無視されているので、注意を要する。
 明治復古政権は、確かに腐敗していた。
成立時から前期は、特に汚濁にまみれていたといっても過言ではない。

 関が原の怨念に突き動かされて、何の国家ビジョンも描かず、いや、描けず、ただ朝廷=天皇を道具として利用して討幕のみに突っ走ってきたわけであるから、仕方がないといえば甘過ぎるかも知れない。しかし、実態はそれ以上のものは何もなかったのである。
 幾つか新政府の腐敗の実例を挙げておこう。

 これらは、今日の政治家や企業人の腐敗、倫理観の欠落のルーツであるという点で、特に重要な史実である。

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「三流の維新 一流の江戸」

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