2010年12月の発売以来、日本でもザッポスおよびトニー・シェイのファンを増殖させている書籍『顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説』ですが、数回に渡り、日本のさまざまな層のザッポス伝説ファンの情熱を紹介。ベンチャー、顧客サービス、企業文化、生き方など、同書を多様な視点から読み解いていきます。今回は、日本のソーシャル・メディア界の第一人者として知られるループス・コミュニケーションズ代表取締役、斉藤徹氏にお話をうかがいました。
最初にグーグル、
そしてザッポスにたどり着いた
株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役。1985年3月慶應義塾大学理工学部卒業後、同年4月日本IBM株式会社入社、1991年2月株式会社フレックスファームを創業。2004年同社全株式をKSKに売却。2005年7月株式会社ループス・コミュニケーションズを創業。現在、日本国内での企業のコミュニティ構築分野でトップシェアを誇るほか、ソーシャル・メディアに関するコンサルティング事業を幅広く展開している。「新ソーシャル・メディア完全読本」「ソーシャル・メディア・ダイナミクス」「Twitterマーケティング」「Webコミュニティで一番大切なこと」「SNSビジネスガイド」など著書多数の他、人気ブログ「In the looop」も運営している。
「以前日本IBMにいたのですが、最初に企業ありきでなく、個人の時代にあてはまる新しい組織をつくりたいと願っていました。まずグーグルに注目しました。グーグルは、社内のマネジメントは素晴らしい。でも、顧客の声に耳を傾けようとしません。そんな時、ザッポスを知りました。社内にも社外にも幸せを届けると一貫している。これだと思いました。」
ソーシャル・メディアの第一人者であり多くの大企業のネット活用の指南役を務める株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役の斉藤徹氏は、早くからザッポスに注目。自身のブログに4回にわたって記事を執筆するなど、強烈な思い入れでザッポスを語ってくれました。
「2005年に創業したループス・コミュニケーションズですが、2008年に事業を売却するなど大幅に縮小して、社員7人で再出発しました。株主もシンプルになったのを機に自分の思いに忠実な会社を創ろうと決心したのです。そして2年間で7人が醸成してきた文化を、昨年10月に明文化したのが『ループス・ウェイ』です。コア・バリュー(核心的価値観)をつくるにあたり、ザッポスを大いに参考にしました」