宅配便最大手のヤマト運輸が、宅配便の運賃引き上げを検討しているというニュースが大きな話題となっている。1面トップで報じた全国紙もあった。
しかし、米国人がこの話を聞いたとしたら、「なぜそんな話題が新聞の1面に載るのか」と驚くと思われる。なぜなら、米国では荷物の配送料の値上げは日常茶飯事だからだ。
日米の消費者物価指数(CPI)における「配送料」の動きを比較してみよう。
20年前となる1997年1月の価格を100とすると、日本の今年1月は98だ。非常に硬直的である。ヤマト運輸が検討している今回の値上げは、消費税率引き上げ時を除くと、実に27年ぶり(バブル期以来)だという。
対照的に、米国の「配送料」は持続的な上昇を示してきた。20年前の価格を100としたときに、今年1月は153だ。米企業は日本企業と違って、人件費などのコスト増加分をサービス価格に自然体で転嫁してきた。
ただし、過去のこのコラムで触れてきたように、米国でもモノの多くは長期デフレに陥っており、耐久消費財の価格は20年前に比べて18%も下落している。