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高橋洋一の俗論を撃つ!

原発事故賠償金の国民負担を少なくし
電力料金引き下げも可能な処方箋を示そう

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第13回】 2011年5月12日
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 東電の福島原発事故での賠償スキームが話題になっている。

 東電の賠償スキームそのものは単純だ。賠償は原子力損害賠償法に基づいて行われるが、これまで政府が明言しているように、同法3条但し書きによる免責が東電に適用されない。となると、東電が責任をもって行うこととなる。一方、東電の責任を超える部分は、被災者の泣き寝入りは容認することができないので、政府、つまり国民が負担することになるだろう。

東電は既に実質的に
債務超過状態にある

 ということは、「賠償額=東電負担分+国民負担分」という公式が成り立つ。ここで、東電負担分は、東電のステークホルダーである株主、債権者、経営者・従業員のいずれかが負担する。また、国民負担分は、税負担か電力料金値上げになる。

 さらに、負担関係をきっちり具体的に把握するには、東電のバランスシート(BS)を見なければいけない(図1)。資産は13.2兆円、負債のうち流動負債1.9兆円、固定負債8.8兆円(うち社債4.7兆円)、純資産2.5兆円(2010年3月末。連結ベース)。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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元財務官僚の経済学者・高橋洋一が、世にはびこるもっともらしい「俗論」の過ちをズバリ解説。

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