コミュニケーション自体が社員教育

 このようなコミュニケーション自体が社員教育です。

 私は、「日常のさりげない会話が社員の成長を促す」と考えているため、「まじめな私語」や「仕事の雑談」も推奨しています。

 日本レーザーに、社長室はありません。
 オフィスは大部屋主義です。
 仕切りのないワンフロアに、すべての部署が集まっています。
 社長も社員と同じフロアで執務をしているので、社員の側からも、私に気軽に声をかけることができます。 

「ひとり飲み禁止」「飲んだあとは仕事に戻らない」なら、
自由に飲んでもいい

 また、
・「社員の誕生日には、直筆のカードと商品カタログを贈る」
・「社員旅行、忘年会、周年パーティを開催し、パートやビルの清掃員まで招待する」
(大阪、名古屋支店の社員の交通費や宿泊費は会社負担)

 など、コミュニケーションの場を極力増やしています。

 5年前には、本社ビルの一部を改装し、ラウンジをつくりました。
 このラウンジで、社員と懇談をしたり、終業後にお酒を飲んだりすることもあります。

 社内の冷蔵庫には缶ビールが常備されていて、「ひとり飲み禁止」「飲んだあとは仕事に戻らない」というルールを守れば、自由に飲んでもいいことになっています。

 名古屋支店や大阪支店の社員とは、年に数回しか会うことができないため、テレビ会議システムを使って、毎週の全社朝礼など積極的にコミュニケーションを取っています。

 大阪支店の西本俊行は、「支店にいるのに、社長を身近に感じる」と話しています。

「近藤社長は、本当に社員のことをよく見ていますね。『あの社員は、こういう考えを持っていて、こういう特性があるから、こういった仕事をさせたらいいのではないか』ということを誰よりも理解しています」(西本)
 
 社員あっての会社ですから、社員が心地よい環境をいかにつくっていくかが大事で、そのためにも、なにげないひと言がすごく重要なのです。