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SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
【第4回】 2017年3月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
ショーン・スティーブンソン(著),花塚 恵(訳)

スマホはパフォーマンス管理の最大の敵

全米で話題沸騰中の21の睡眠メソッドを集約した、『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』。本連載では同書の中心的なメソッドを紹介していきます。食事、ベッド、寝る姿勢、パジャマ――。どんな疲れも超回復し、脳のパフォーマンスを最大化する「睡眠の技術」に注目です!

睡眠不足の原因はブルーライトにあり

睡眠の質をいますぐ改善したいなら、夜に画面を見る時間を減らすのがいちばんいいように思う。コンピュータ、iPad、テレビ、スマートフォンなどの画面が発するブルーライトは睡眠を奪うため、睡眠不足になりかねない。電子画面が放つ人工的なブルーライトは、日中に分泌されるべきホルモン(コルチゾールなど)の生成を促す。そうなれば、寝る準備が整った身体に混乱をきたす。

ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院の研究から、寝る前にブルーライトを発する電子機器を数時間使うと、体調や注意力をはじめ、毎日の睡眠リズムに反映される体内時計にマイナスの影響を与えかねないことが明らかにされた。夜にiPadで読書をした被験者は、紙の書籍を読んだ被験者に比べて寝つくまでに時間がかかり、眠気もあまり感じず、レム睡眠の時間も短かったという。また、メラトニンの分泌量も少なかった。この物質が睡眠の質に多大な影響を与えることは、すでにご存じのとおりだ。しかも、どちらの被験者もしっかりと8時間の睡眠をとったにもかかわらず、iPadで読書した人のほうが翌日に疲れが残っていたという。これは特筆すべき事実だ。

また、ニューヨーク州トロイにあるレンセラー工科大学ライティング・リサーチ・センターのマリアナ・フィゲイロ博士のチームは、寝る前にコンピュータの画面に2時間向かうだけで、夜間に分泌されるメラトニンの量が著しく抑制されることを実証した。メラトニンの分泌が乱れれば、通常の睡眠サイクルも当然乱れる。

フィゲイロ博士は、夜に電子機器を使うことが習慣化すると、体内リズムが慢性的に狂う恐れがあるとも指摘する。そうなれば、深刻な病を抱える可能性が格段に高まる。

私たちが電子機器を使うようになったのは、ここ数十年のことだ。最初に登場したのがテレビで、その後に続くノートパソコン、タブレットPC、スマートフォンなどの登場は比較的最近だ。人間が何百万年もかけて進化を遂げてきたことを思うと、20年ほど夜更かしを続けたくらいで身体が適応できるとは思えない。

電子機器を使えば依存する可能性が生まれる、というレベルの話ではない。私たちは本当に、電子機器に依存している。そうなるように、人間の身体ができているのだ。といっても、電子機器自体に依存するようできているわけではない。絶えず何かを探求するようにできているのだ。

スマホはドーパミン無限製造機

私たちの体内では、ドーパミンと呼ばれる物質が生成される。これは影響力がとても強い。かつては、脳が「快楽」を感じるシステムをつかさどる物質だと言われていた。楽しい、嬉しいといった気持ちにさせてくれるので、ドーパミンの分泌を促す行為(食事、セックス、ドラッグなど)を求めたくなるという理屈だ。ところが近年になり、ドーパミンは快楽と無関係であることが明らかになった。快楽の感情は、オピオイドという物質の作用がもたらす結果として生まれるという。ドーパミンは、探求という行為にのみ関係する物質だったのだ。獲物を探す、先がどうなるのかを知る、といったことをするだけで、ドーパミンは分泌される。脳はドーパミンがじわじわ分泌される状態が大好きだ。そんな脳が、インターネットにハマらないわけがない。

探求に夢中になるのはなぜか。それは、オピオイドが快楽の感情を与えてくれるからだ。ネットで何かを調べるという行為には、必ずオピオイドがついてくる。そして、文字どおり瞬時に満足感をもたらしてくれる。新しいフォロワーができる、記事に「いいね!」がつく、インスタグラムに誰かの新しい写真がアップされるというように、何か新しい発見があるたびに、脳内に少量のオピオイドが分泌される。そうすると、また新たな発見がしたくなり、ドーパミンがさらに分泌されるというわけだ。

ドーパミンが意欲や注意力に関係する一方、セロトニンは充足感や緊張の緩和を促す。この二つは体内で別々に作用するが、どちらの作用が強くなるかは、寝る前にテレビを観るかどうかで決まる。

夜にぐっすり眠れるかどうかは、神経伝達物質やホルモンのバランスにかかっているの
だ。

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