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「週刊文春」編集長の仕事術
【第14回】 2017年3月28日
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新谷学

大きな組織にかならずいる「裏のキーマン」を見極めよ

 つねに世間を賑わせている「週刊文春」。その現役編集長が初めて本を著し、話題となっている。『「週刊文春」編集長の仕事術』(新谷学/ダイヤモンド社)だ。本連載では、本書の読みどころをお届けする。
(編集:竹村俊介、写真:加瀬健太郎)

VIPに直通する人物は誰か

 大企業のトップや大物政治家など、大きな権力や影響力を持っている人には、秘書や広報など何人かの「取り巻き」が必ずいる。その取り巻きの中でも最重要人物は誰なのかを、しっかり見極めないとダメだ。「誰を通すとすぐ本人に届くのか」「誰からの依頼だと断りづらいのか」。ホットラインがどこにあるのかを探るのだ。

新谷学(しんたに・まなぶ)
1964年生まれ。東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒業。89年に文藝春秋に入社し、「Number」「マルコポーロ」編集部、「週刊文春」記者・デスク、月刊「文藝春秋」編集部、ノンフィクション局第一部長などを経て、2012年より「週刊文春」編集長。

 大きな企業には、秘書室にたいていベテランの女性がいる。この人がキーマンであることが多い。彼女を通せばいちばん話が早いのだ。これはよくある話だが、一般の社員はいかに彼女が重要人物かを知らず、「単なる一秘書」として平気で不躾な態度をとる。当然ながらその社員に関するネガティブな情報はすぐにトップに伝わってしまう。権力の在り処と、情報の流れを把握していなければ取り返しのつかないことになる。

 対外的な肩書きとは別に「トップに直結している本当のキーマン」が大きな組織には必ずいる。女性の秘書も含めて「裏広報」や「裏総務」のような百戦錬磨のベテランである。かつては首相官邸にもいたし、自民党の幹事長室にもいた。「トップが誰を信頼しているのか」「どのボタンを押すと直で通じるのか」を把握しておくことは、組織を相手に、あるいは組織の中で仕事をする上で極めて重要なポイントなのだ。

トップと広報を見れば、どういう組織かはわかる

 ではキーマンをいかに見極めるのか。私はトップに会ったとき、会話の中で「誰を本当に信頼しているのか」「誰をかわいがっているのか」をさりげなく探る。あからさまに聞かなくても、普通に話していればわかる。例えば「彼女になんとか結婚相手を見つけたいんだよな」といつも言っていたとすれば、それだけ気にかけてかわいがっていることがわかる。トップが関心を持っている相手、好意を持っている相手は誰なのかということは、真摯にお付き合いしていれば、必ずわかるものだ。

 どんな組織でもトップと広報に会えばたいていのことはわかる。取材の際に広報がメディア側ではなくトップにばかり気をつかっている組織は風通しが悪い。広報がトップに対してものを言いづらい、独裁的な組織だということだ。かつてのNHKはそんな組織の典型だった。

 トップになかなか会えない場合は、キーマンを見極める上で、トップに食い込んでいる複数の人たちに接触することもある。ただ、よくあるのは、食い込んでいる人たちどうしが仲が悪いというケースだ。お互いに対するネガティブな情報を流すことがあるのでミスリードされないように注意する必要がある。

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新谷学

1964年生まれ。東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒業。89年に文藝春秋に入社し、「Number」「マルコポーロ」編集部、「週刊文春」記者・デスク、月刊「文藝春秋」編集部、ノンフィクション局第一部長などを経て、2012年より「週刊文春」編集長。

 


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