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エコカー大戦争!

メイド・イン・ジャパン復権の切り札
「超小型モビリティ」という究極のエコカー

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第79回】 2011年5月25日
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 いまから3~4年後、日本各地の街中を奇妙な格好をした乗り物が大量に走っているかもしれない――。

 この乗り物、「超小型モビリティ」という。

 高齢者の日常の足として、都会での手軽な移動手段として、宅急便など小口配送の都心での足として、「超小型モビリティ」は普及し、日本の強みとなっているかもしれないのだ。

 2011年5月16日(月)、霞ヶ関・経済産業省別館10階1014会議室。超小型モビリティに関する第3回目の検討会が行われた。平成22年(2010年)度に国土交通省が全国の地方自治体からの公募により決定した、実証試験についての報告の“とりまとめ会”である。

 時計の針を1年ほど巻き戻した2010年6月7日、国土交通省・都市・地域整備局と同省自動車交通局が、ある発表を行った。題目は「平成22年度環境対応車を活用したまちづくりに関する実証実験地域について」。

 項目は3つある。1)電動バス運行に関する実証実験、2)駐車場等への充電施設の適切な設置・配置に関する実証実験、そして3)超小型モビリティの利活用に関する実証実験だ。

 本稿のテーマである超小型モビリティの利活用に関する実証実験に参加したのは、以下の6地方自治体(同省発表の広報資料での記載順)である。

◆群馬県桐生市
・ミニカーを含むいくつかの車両についてモニター利用
・桐生市内の中心街において専用ルートを設置し、検証

◆東京都千代田区
・ミニカーの貨物車両等を小口配送に利用
・大丸有(※大手町・丸の内・有楽町の略称)、神田地区において市街地での物流効率化等を検証

◆愛知県豊田市
・ミニカーを含むいくつかの車両についてモニター利用
・豊田市内の中心市街地、歩道と一体的な空間等で使い方使われ方等を検証

◆京都府
・ミニカーを含むいくつかの車両について、学研都市精華台、木津川台地区のニュータウンでカーシェア利用
・住宅地から駅、商業施設間等に優先レーンを設置し、検証

◆福岡県福岡市
・ミニカーを含むいくつかの車両について、環境モデル地区として整備した複合開発(商業、住宅、学校等)エリアでのカーシェア利用
・住宅地から中心市街地間で、使い方使われ方等を検証

◆福岡県宗像市
・ミニカーを用い、宗像市内の周辺集落地域を中心にモニター利用
・主に、高齢者の日常生活における使い方使われ方等を検証

ミニカーとは? 

 さて、上記の実証実験の内容で頻出した「ミニカー」とは何か。これは道路運送車両法では、原動機付き自転車の範疇に入る。

富山県富山市にあるミニカーの老舗、タケオカ自動車工芸の本社前。写真手前が「ルーキー」。その後方が「ミリュー」。

 原動機付き自転車は、50cc以下の小型オートバイが主流で、関東圏などでは「原付き(げんつき)」「原チャリ(げんちゃり)」などと呼ばれている。ミニカーは、この原付きの四輪版の規定なのだ。最大寸法は、全長2.5m x 全幅1.3m x 全高2.0m、最高出力は0.6kw以下とされている。

 現在、日本全国規模でミニカーを製造販売している会社は、実質的に2社のみだ。ひとつが、トヨタ自動車の子会社のトヨタ車体(愛知県刈谷市)で、商品名は「コムス」。もう一社はタケオカ自動車工芸(富山県富山市)だ。後者はミニカーの老舗で、全国各地に愛好家が多い。

 筆者は本稿執筆にあたり、タケオカ自動車工芸の代表取締役である武岡栄一氏と専務取締役の武岡学氏に本社で直接お目にかかり、ミニカーの歴史、つまりは同社の歴史について詳しく聞いた。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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