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金融市場異論百出

プレミアム価格で厚い利益
ドイツ企業が勝者の理由

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年5月25日
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 ギリシャの財政危機にユーロ圏が揺れていることもあり、日本のマスメディアは、全般に、欧州経済をネガティブなトーンで報道している。確かに、“周辺国”(ギリシャ、アイルランド、ポルトガル)の財政問題への対処は容易ではない。だが、それら3国のGDPはユーロ圏の6%にとどまる。

 一方、ドイツ、オランダ、オーストリア、ベルギー、フィンランドのGDPは、ユーロ圏の42%を占めている。それら5ヵ国の1~3月期GDPは前年比+4.4%もの高成長を示した。北ヨーロッパ経済は絶好調である。

 「グローバリゼーションの最大の勝者」と最近称されるドイツ企業を見てみよう。ポルシェのライプツィヒ工場では、自動化された一つのラインに、スロバキアのフォルクスワーゲン工場で作られたカイエンのボディと、ハノーバーで作られたパナメーラのボディが同時に流れ、高い効率性の下で組み立てが行われている。

 同社に限らず、多くのドイツ企業は、EUに加盟した旧共産圏の安くて優秀な労働力を活用しつつ生産性を高めた。その一方で、高いブランドイメージを最大限に利用して、製品を新興国の富裕層にプレミアム価格で販売し、高い利益率を確保している。また、過去10年で中国向け輸出が最も増加した国はドイツだという(英「エコノミスト」誌2月5日号)。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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