クラウドを上手に使い
夏の節電対策を推進

 こうしたIIJ GIOの優位性が評価され、企業の導入が加速。特に「節電対策を目的にクラウドを導入する動きが活発化しています」と小川部長。

 節電対策としてのクラウドの活用法は二つある。一つは、東日本に拠点を構える企業が西日本にあるデータセンター(クラウドサービス)を利用する方法である。たとえば、西日本地域で提供しているストレージサービスを活用することにより、ストレージにかかわる電力消費地を東日本から西日本へ移行できる。加えて、サーバやストレージの冷却に必要な空調設備の電力も削減できる。

 また、仮想化技術による節電対策も大きな効果がある。たとえば、約100台の物理サーバを自社で運用しているケースを考えてみよう。一つの試算によると、クラウドの仮想サーバ(GIOコンポーネントサービスの仮想化タイプ)を活用することでサーバの台数を約35台に集約でき、消費電力を大幅に削減できる。

図2 節電対策にも効果的なクラウドの活用 東日本から西日本に電力消費地を移すことで企業の節電対策を後押しする。たとえば、約100台の物理サーバと3台のストレージを自前で運用している企業は、クラウド環境(IIJ GIOコンポーネントサービス、IIJ GIOストレージサービス)を活用することで、約60kWの電力削減効果があるとIIJでは試算する。

 サーバに加え、社員が利用するパソコンの節電も可能だ。記憶装置(HDD)などを装備しないシンクライアント端末とIIJ GIO仮想デスクトップサービスを導入すれば、通常のパソコンに比べて少ない消費電力で動作できる。また、データが端末に残らないので、どこでも安全に情報を利用でき、在宅勤務にも有効である。

 仮想デスクトップサービスは、ユーザのキーボード/マウス操作に従い、センター側からアプリケーションの画面情報を端末に転送、表示する仕組みだ。そこで、ユーザが頻繁に利用する認証サーバやファイルサーバ、グループウェア、メールなどのアプリケーションサービスを含め、ユーザが安全・快適に利用できるクラウド環境が求められる。

 IIJでは、IPv6対応に加え、Windows Cloud Migration Factoryなど、社内システムのクラウド化を促進するサービスを拡充。BCPと節電対策はもちろん、ビジネスの変化にも柔軟かつ迅速に対応できるITの利用環境を強力にサポートしている。