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現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術
【第8回】 2017年4月24日
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西岡壱誠

東大には『頭がいい』だけでは受からない? 現役東大生が語る「ヘン」な東大入試問題

偏差値35の落ちこぼれが 奇跡の東大合格をはたした、『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』。本連載では同書の勉強嫌いでも続けられるゲーム式暗記術や、東大生の勉強にまつわるエピソードを紹介していきます。「英熟語ポーカー」「単語マジカルバナナ」「メモリーチェックゲーム」「暗記復讐帳ゲーム」など英語、資格試験……なんにでも使える24のゲーム式暗記術に注目です! 今回は現役東大生である著者の西岡壱誠氏がちょっと「ヘン」な東大入問題を紹介します。

今年の東大入試の英作文問題とは?

今年、東大ではこんな英作文の問題が出題されました。

【あなたがいま試験を受けているキャンパスに関して、気付いたことを一つ選び、英語で説明せよ】

この問題を見た多くの東大受験生が、キョロキョロと教室を見渡したそうな。

さて、多くの人はこの問題を見て、「これが東大の問題!?」と驚くことと思います。「もっと難解で、天才にしか解けないような問題が東大の試験なんじゃないの!?」と。

30年分の東大入試を分析した結果から言わせていただくと、それは大きな間違いです。東大の問題は、難しいのではないのです。でも逆に、だからこそ頭がいいだけでは解けないのです。

例えば、
【次の時刻表のうち、成田空港の上海行き航空便の時刻表はどれでしょうか?(2005年 地理 一部改編)】
【ブラックジャック(カードゲーム)で、次の状態の勝率を計算せよ(2005年 数学 一部改編)】

こんな風に、テレビのクイズ番組でもありそうなほど卑近で、ともすれば中学2年生でも解けてしまいそうなほど単純で、見ていて「なんだか面白そう」と思うほどユニークな問題が、東大では多く出題されているのです。

極め付けはこれです。
【下の画像について、あなたが思う事を英語で述べよ(2016年 英語)】

 「なんだこの問題!?」と思った方、正しい反応だと思います。

「『あなたが思う事を英語で述べよ』って、まず日本語でも何も思わないわ‼」と思った方、私も全く同じ事を試験会場で思いました。
私の母親はこの問題を見たときに「テレビ番組の『動物の面白写真紹介コーナー』で出てきそうね」と言っていました。確かにそうですね。

 「東大は一体、こんな問題で何の力を問うているのだろう?」
という疑問が、みなさん頭に浮かぶことと思います。

東大は入試で「頭の柔らかさ」をみている

その答えは、この問題を実際に解いた受験生に質問してみてわかりました。

この問題で得点できなかった受験生は、「この写真は遠近法という技法を使って撮られた写真だと思う」といった風に、難しく考えて、難しく書いていました。

しかし、本当にそういう英文を書こうと思ったら、かなり高い英語力が求められるし、時間もかかります。
逆にこの問題で得点できた受験生がどう書いていたのかと言うと、「わざと騙されて」書いていました。
「こんなに小さい猫なら僕も飼ってみたい」と書いていたり、
「この猫は未来から来た小型猫型ロボットだ」と書いていたり、
「この手は巨人の手だ」と書いていたり、
「この猫フィギア良いよね!僕も持ってるよ!」と書いていたり。

この問題の要求は「この写真を正しく解釈し説明せよ」ではありません「あなたが思う事を述べよ」です。
であるならば、わざわざ「遠近法」とか難しい言葉を使わないで、簡単に書けばそれで得点できるのです。

つまり、「難しく考えたら負け」。「基礎的な知識を、柔軟に活用できる力」を、東大は見ているのです。

平成28年度の東大の入学式で、五神総長は新入生に向けてこう述べました。

「みなさん、試験の手応えは如何だったでしょうか。私たちは知識の量ではなく、基本となる知識を柔軟な発想によって使いこなす力こそが大学での学びへの備えとして最も大切だと考えています。そのような期待を込めて出題させていただきました。」

この言葉が象徴するように、東大は近年卑近な事柄を題材に、ユニークな問題を出題し続けています。それは、頭の良さ(知識量)ではなく、柔軟な発想力を問いたいからなのでしょう。

ところで、はじめの問題。
【あなたがいま試験を受けているキャンパスに関して、気付いたことを一つ選び、英語で説明せよ。】
私なら「校舎が古臭いから早く新しくしてくれ」と回答しますが、東大の教授はこの回答に点をくれるのでしょうかね?

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東京大学2年生。1996年生まれ。 東大輩出者ゼロの無名校でゲームにハマり、落ちこぼれ、学年ビリに。 偏差値35の絶望的状況から一念発起して東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で、箸にも棒にもかからず不合格。崖っぷちの状況で「ゲーム式暗記術」を開発し、みるみるうちに偏差値が向上。東大模試第4位になり、奇跡の東大合格をはたす。 現在は、かつての自分と同じような崖っぷちの受験生に、家庭教師として勉強を教えている。 教え子の一人は、英語が絶望的な成績だったにもかかわらず、「ゲーム式暗記術」で、見事、東京外国語大学に合格している。大学では、東京大学で44年続く書評誌「ひろば」の編集長を務める傍ら、東京大学で25年の歴史がある「法と社会と人権ゼミ」のパート長も務めている。 その他、学外では中小企業庁の事業「ふるさとグローバルプロデューサー育成支援事業」にも参加している。 趣味はゲーム。テレビゲームはもちろん、スマホゲームからカードゲームまで幅広くプレイ。特に、高校生時代にハマった「女神転生シリーズ」は100時間以上プレイした。


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