ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
経済は地理から学べ!
【第13回】 2017年5月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
宮路秀作 [代々木ゼミナール・Y‐SAPIX東大館地理講師]

日本も今すぐ投資すべき!?
中国が急接近するタンザニアの底力

1
nextpage

「経済×地理」で、ニュースの“本質”が見えてくる!仕事に効く「教養としての地理」

地理とは、農業や工業、貿易、交通、人口、宗教、言語にいたるまで、現代世界の「ありとあらゆる分野」を学ぶ学問です。

地理なくして、経済を語ることはできません。

最新刊『経済は地理から学べ!』の著者、宮路秀作氏に語ってもらいます。

中国がアフリカ諸国へ投資する「3つの理由」

 中国はアフリカ諸国に対し、多額の経済援助を行っています。なぜでしょうか?本日は中国の対アフリカ戦略と、その中で台頭してきたタンザニアに注目します。

 中国のアフリカへの経済援助は、想像以上に「昔から」行われていて、近年さらに援助額を増やしています。しかし、まだまだ先進国と比較すると額は少ないと言えます。1956年以降の中国のアフリカへの経済援助額は440億人民元(1元は約16円)。日本の約半分の金額です。

 中国がアフリカに対して積極的に行っているのは投資と貿易です。中国の対アフリカ輸出額は2002年に50億ドルでしたが、2008年には500億ドルと拡大しています。資源開発に対する投資はよく耳にする話です。

 しかし中国は、資源などの埋蔵が見られない国にも援助額を増やしています。これは対台湾戦略の1つであり、政治的・外交的な側面を持ち合わせています。

 その目的は、「北京政府を正統な国家である」と承認してもらうことです。

 アフリカ諸国の中で、台湾を正式な中国であると認識している国は54カ国中2カ国しかありません。このように、中国のアフリカ大陸への経済援助は「外交」であり、それを基礎として中国企業の資源獲得につながっていくのです。

アフリカで売られる中国製自動車

 さらに、アフリカを重要な輸出相手として位置づけており、その市場開拓も目的の1つです。中国は世界最大の自動車生産台数を誇る国ですが、その多くが大市場を背景とした国内市場向けの販売です。

 輸出台数は多くないのですが、自動車生産台数に対する輸出台数の割合は2000年に2%だったのが、2013年には4%にまで上昇しています。2013年の輸出台数は95万台を数えました。

 中国製自動車は、日本やアメリカ合衆国、ドイツ、フランスの自動車などと比較すると性能では劣りますが、アフリカの人々にとっては価格が手頃なため、非常に大きなシェアを占めています。

 中国の急激な経済成長はここ十数年の話。そのため中国企業は、海外ビジネスに対する経験がまだまだ浅いといえます。そこで政府が支援して海外投資を促しているのです。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
ダイヤモンド・オンライン 関連記事
コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術

コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術

Shin 著

定価(税込):本体1,400円+税   発行年月:2017年7月

<内容紹介>
たった1年で、ド落ちこぼれを外資系コンサルティングファームのマネジャーにまで成長させた超実践的成長ノウハウ! 「指摘のドラフトメール一元化」「最強のTodoリスト」……などコピー取りすらろくにできなかった20代の若手コンサルタントが、自分を変えるために必死で考えたオリジナルの7つの仕事術を紹介。

本を購入する
著者セミナー・予定

(POSデータ調べ、7/2~7/8)



 宮路秀作(みやじ・しゅうさく) [代々木ゼミナール・Y‐SAPIX東大館地理講師]

 「東大地理、センター地理」などの講座を担当する実力派。
 一部の講師しか担当できないオリジナル講座を任され、 これらは全国の代々木ゼミナール各校舎・サテライン予備校にて サテライン放映(衛星通信を利用して配信)されている。「地理」を通して、現代世界の「なぜ?」「どうして?」を解き明かす講義は、9割以上の生徒から「地理を学んでよかった! 」と大好評。
 講義の指針は、「地理とは、地球上の理(ことわり)である」。代ゼミ講師2年目から模試の作成にも携わり、2011年からは東大プレの担当も任されている。開設講座のほとんどがサテライン放映されており、また高校教員向け講座「教員研修セミナー」の講師を担当するなど、「代ゼミの地理の顔」となる。生徒アンケートは、代ゼミ講師1年目の2008年度から全国1位を獲得し続けている。 東京、名古屋、札幌、新潟と、全国の校舎で教壇に立つ。代ゼミ新潟校・名古屋校で開講された自身初のオリジナル講義は、100人教室が初年度から満席。翌年からサテライン放映講座となる。対面授業、サテライン授業あわせて、1週間で2000人以上の生徒を指導している。


経済は地理から学べ!

地理がわかれば、経済ニュースがもっとわかる! 仕事に効く「教養としての地理」。
「東大地理」を担当する“現役"予備校講師が教えるから、面白くて、わかりやすい!
地理とは、地形や気候といった自然環境を学ぶだけの学問ではありません。
農業や工業、貿易、流通、人口、宗教、言語にいたるまで、
現代世界で目にする「ありとあらゆる分野」を学ぶ学問なのです。
地理という“レンズ"を通せば、人間の経済活動により深い解釈を加えることができます。

「経済は地理から学べ!」

⇒バックナンバー一覧