5月17日から始まったプロ野球セ・パ交流戦も残すところ1週間。今年は福岡ソフトバンクが異常なほどの強さを見せ、12日現在20戦16勝2敗2分という成績で首位を走っている。マジックナンバーは2で15日にも交流戦3度目の優勝が決定、冠スポンサー日本生命からの賞金5000万円獲得も間近だ。

 また、ソフトバンクに限らず今年もパ・リーグの強さが目立った。交流戦は2005年から始まったが、過去6年間はいずれもパ・リーグのチームが優勝。今年ソフトバンクが優勝すれば7年連続だ。ひと昔前は「人気のセ、実力のパ」と言われたものだが、今は実力ではパがセを完全に凌駕し、人気の方もパが上まわっているように思える。スタジアムの熱気を見ると福岡、札幌、千葉などパの本拠地の方がすごいからだ。

 そんな交流戦を見てきて感じたのが、巨人の「普通のチーム」化が進んでいることだ。

本拠地は首都、多数のスター選手…
押しも押されもせぬ「球界の盟主」

 日本のプロ野球において巨人は常に「特別なチーム」であり続けた。

 日本初のプロ(職業)野球球団であり、リーグ創設のイニシアチブを取った。本拠地を首都東京に置き、親会社の読売新聞がPRすることでプロ野球人気を盛り立てていった。まさに盟主といっていいだろう。

 チームも人々の絶大な支持を得た。戦前は沢村栄治、三原脩、戦後にかけては川上哲治、千葉茂ら数多くの名選手がいた。そしてV9を達成した昭和40年代に巨人人気は不動のものになる。中心はプロ野球の、というより日本スポーツ界を代表する存在である長嶋茂雄と王貞治。その前後の打順にも柴田、土井、森、高田といった人気選手が並んだ。投手陣も金田、城之内、堀内、高橋一といった一流どころが揃い絶対的な強さを誇った。