(右)三井造船 船舶・艦艇事業本部 特機・水中機器部主任 各務均
ロボットによる海底資源探査の技術を競う世界的なコンペに、30代前半の2人の若者が挑もうとしている。
このコンペは、無人の水中ロボットで、いかに速く海底の地形を把握するかを競う。世界中から参加した32チームが、技術者のプライドと総額700万ドルの賞金を懸けて戦う。
日本から参加した3チームのうち唯一、第一関門である書類審査を通過し、勝ち残っているのが、産官学でつくる「Team KUROSHIO」だ。
若手ながらTeam KUROSHIOの共同代表を務めるのが、九州工業大学特任助教の西田祐也(33歳)だ。
筋金入りのロボット好きで、熊本県の高専に通っていた5年間は毎年、「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」に参加した。
そんな西田には忘れられない苦い思い出がある。
高専5年生の秋、満を持して臨んだ最後の高専ロボコンの九州地区大会。ここで勝てば全国大会出場がほぼ決まるという一戦で、敗退してしまったのだ。