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金融市場異論百出

多額の債権を持つ米国もギリシャ破綻を強く警戒

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年6月29日
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 『ギリシャ人のまっかなホント』(アレキサンドラ・フィアダ)という1999年に出版されたコミカルな本がある。同書は、EU加盟国はいずれギリシャに感化されていい加減になっていくと“予言”していた。「これだけは断言できる。一定数のギリシャ人を巻き込んだシステムは、じきにギリシャ的になる」。この“予言”、部分的には当たっているところがある。

 ギリシャは財政赤字対GDP比3%以下というユーロ加盟の条件をクリアするため、加盟前年の2000年の財政赤字を虚偽報告していたことを、04年秋に明らかにした。01年、02年も虚偽報告だった。「ギリシャ政府には3%規定を守る気はなく、いかにすり抜けるかを考え続けたことは否定できない」(『ユーロ──危機の中の統一通貨』田中素香)。

 虚偽がわかったあとの05年頃に、他のユーロ加盟国がギリシャに厳しい態度を取っていたら、今日のような混乱は回避できただろう。だが、ドイツやフランスは曖昧な対応をしてしまった。彼らも経済が苦しく、3%規定を守れなかったため、ギリシャを糾弾できなかったのだ。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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