ソニー復活に感じる「悪いビジネスモデル」再来の不安過去最高益が視野に入り、復活を印象付けたソニーだが、平井CEOの掲げる目標には不安を感じる。それは、あるビジネスモデルを強化するというものだ Photo by Takahisa Suzuki

 ソニーの平井一夫CEOが経営方針説明会で、ソニーの復活を力強く述べた。少し前に行われた決算発表の記者会見でも、今期の営業利益目標5000億円と過去最高益(1998年3月期の5257億円)がいよいよ視野に入ってきたことが話題になったが、この目標達成についてもかなりの自信を持っているようだ。

 実際、1998年に最高益だった当時のソニーは、売上の3分の2近くをテレビやウォークマンなどのエレクトロニクス商品が占めていた。現在では、ゲーム、映画、音楽、金融など非エレクトロニクスの売上が過半を占めると同時に、テレビ・オーディオなどかつての中心商品の売上構成は14%に過ぎず、エレクトロニクスでも半導体やCCDなど高収益の部品が占める比率が上がってきている。

 その観点で言えば、5年前、ソニーが4566億円の最終赤字を計上した当時とは、ソニーの事業構造は様変わりしたと言える。「ソニーを変える」と宣言した平井CEOの言葉通りの変革が実現したわけだ。

 さて、このように好調のソニーだが、継続的に営業利益5000億円を稼ぐ企業になるためのポイントとして平井CEOが挙げたある言葉が、私にはひっかかった。「リカーリング型ビジネスモデルの強化」という言葉だ。