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縦棒グラフで
値・量の大きさを見せる

 縦棒グラフは、連続した要素の値・量を棒の高さで見せるものです。縦軸には数量などのデータを、横軸には各項目や時間軸をレイアウトします。大小や増減がひと目で直感できるという特徴があります。

 グラフはパソコンで作るのが当たり前になっていますが、紙に手書きでグラフを作っていくなら縦棒グラフが最も簡単な方法です。経年の売り上げや人口の推移、国や自治体別の生産高、消費量の比較などに使っていきましょう。

 目盛りの取り方しだいでデータの差が顕著になりますし、逆のケースもあります。まずX軸(横軸)とY軸(縦軸)が交差する点の値は「0」(ゼロ)です。0から上方向には目盛りが5つ程度あれば十分でしょう。目盛り線が5本あるだけでノイズ(雑音)になってきます。

 テレビやウェブなどマスメディアの解説で使われるグラフには、目盛り線は入っていません。目安となる線がなくても直感できるので、目盛り線を省くのも方法の1つです。

 Excelで自動作成されたグラフをそのまま使っている資料を見かけますが、伝えたいメッセージによって加工するようにしましょう。棒は枠線と塗り色を自由に変更できます。たとえば赤系の色を使う場合は、強調したい棒だけさらに濃い赤を選ぶ、枠線を太くする、枠線の色を黒→赤に変更するという方法で該当箇所だけを強調できます。

 軸ラベルの項目名が横に倒れている例がありますが、読みにくいので不親切です。これは[配置]で[縦書き]を選べば縦方向に変更できます。

 棒のそばに、数量の実データを置くことをラベルと呼びますが、その数字もサイズやフォント、色を変えることで、その1点だけを強調できます。枠線や円などの図形でその棒を囲むことでも、読み手の視線がその棒に集まるようになります。

ビフォー・アフター!
縦棒グラフで特定の項目を目立たせる

(毎週火曜日・金曜日に公開予定)