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金融市場異論百出

QE2は治療薬ではない
歴史的に失敗との見方も

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年7月13日
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 「これは、マーケットにとってのヴイックスヴェポラッブ。治療にはならないが、症状は和らげた」。「ウォールストリート・ジャーナル」(6月28日)は、FRBのQE2(量的緩和策第2弾)に対するエコノミストの評価を掲載した。冒頭のコメントは、セントラルフロリダ大学のショーン・スナイス氏のQE2の評価である。

 ヴイックスヴェポラッブは、子どもの胸などに塗るポピュラーな風邪薬だ。そのウェブサイトには「諸症状を緩和」とあるが、治療薬とは書いていない。FRBは昨年11月から6000億ドルの国債購入策を開始した。そのアナウンスメント効果によって米国の株価は一時上昇したため、株式市場では同政策を称賛する声が多い。しかし、それは米経済のバランスシートを治療するものではない。

 米国の銀行の「貸し出し・リース」は前年比マイナスが続いている。住宅市場の改善ペースも遅い。前掲紙調査によると、エコノミスト49人中20人(41%)がQE2は「不成功」と見なし、「成功」との評価は59%。記事によると、肯定派の見解に熱意を伴ったものが少ないという。「FRBがギブアップを宣言するよりはましだった」といった論調である。

 記者は、もしここが学校なら59点は成績F(落第)なのだが、QE2には「ジェントルマンズC(不可)」を与えておこう、と書いていた。良家の子息などに対して、情状酌量で及第点を与えたという意味である。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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