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多くの人にとって一生に1度の買い物となるマンション。その資産価値を維持していくには定期的なメンテナンスが欠かせない。特に10年、20年という周期で行う大規模修繕工事はマンションの価値を大きく左右するイベントだ。大規模修繕で気をつけるポイントは何か。日本住宅管理組合協議会会長の穐山精吾氏に聞いた。

穐山精吾 特定非営利活動法人
日本住宅管理組合協議会
会長

東京都庁に勤務しながら、1981年から NPO法人日本住宅管理組合協議会に参加。 97年より現職に。99年からNPO法人全国 マンション管理組合連合会会長に就任。現在、 国土交通省所管の「マンション標準管理規約 の見直しに関する検討会」の委員を務める。

 国土交通省の推計によると、2010年末の時点で全国の分譲マンションストック戸数は約571万戸。なかでも築30年を超えるマンションは、11年に100万戸を超えると予測されている。

 人びとがマンションを「終の住みか」と意識するようになり、さらに環境問題を背景に、社会の意識もスクラップ・アンド・ビルドから「ストック重視」へと変化している。老朽化するマンションへの対応は社会全体の課題といえる。

多くのマンションで
積立額不足の恐れあり

 マンションは建てた瞬間に劣化が始まる。コンクリートは中性化し、鉄部はサビが進む。劣化を防ぐには適切な修繕が欠かせない。修繕工事のうち、特に大がかりなものを大規模修繕という。たとえば、防水工事は10~12年、給排水などの設備工事は15~20年ごとに実施する。

 30年以上にわたりマンション管理に関する問題に携わってきた特定非営利活動法人・日本住宅管理組合協議会の穐山精吾会長は、次のように語る。

 「大規模修繕を計画的に実施していくために欠かせないのが長期修繕計画です。最近ではほとんどのマンションで整備されていますが、なかには具体的な内容に乏しい計画もあり、実際に工事をする際に苦労します。計画は5、6年ごとの見直しも必要です」 さらに気がかりなのがおカネの問題だ。

 「分譲会社は新築マンションを販売する際、割安感を出すために、修繕積立金の額を低く設定しています。すると、いざ大規模修繕という段階で積立額が不足し、一時金の徴収や金融機関からの借り入れを行う事態になります」 

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